読売新聞「ナベツネ」が気になる築地跡地
“ナベツネ”こと渡辺恒雄氏
〈新しい秩序を打ち立てるということくらい、難しい事業はない〉
イタリアのルネサンス期の思想家、マキャベリが『君主論』で著した言葉だ。この書を愛読し、「稀代のマキャベリスト」と称される、かの人物の心境としては、「秩序」の文字を「球場」に置き換えれば、しっくりくるに違いない。ナベツネこと、読売新聞グループ本社の渡辺恒雄・代表取締役主筆(90)である。なにしろこの数年、ナベツネ主筆は、巨人軍の東京ドームからの本拠地移転を模索しながら、果たせずにきたからだ。さらに最近では、この新本拠地探しに、渦中の豊洲移転問題が暗い影を落とし、気を揉んでいるという。
「巨人が自前の新球場を持ちたがっているのは事実。東京ドームの使用料が年間30億円もかかるうえ、看板広告や売店でのグッズ収入もドーム側に入るため、独自の球場ビジネスが展開できないからです」
と内幕を明かすのは、ある球団関係者である。
「これまで江戸川区の葛西や品川、渋谷などで新球場建設の用地を探してきましたが、確保のメドが立たず、頓挫してきた。そこで最近、目をつけていたのが、築地の跡地でした」
築地を抱える中央区の矢田美英(よしひで)区長もこう語る。
「跡地の再開発については、テーマパークやホテルなどたくさんのアイデアが寄せられています。確かにその中に、巨人がドーム球場を作るという話もありました。春先、球団幹部と話す機会があり、確認したら、“まだプランとして消えてはいない”と言っていました」
跡地の広さは東京ドーム5個分もあり、充分だ。先の関係者によれば、
「朝日新聞本社の目と鼻の先で、球場を見せつけられるのも気分が良いから、候補地として申し分ない。ところが延期となったから、主筆は気もそぞろなのです」
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