ノーベル賞、3年連続の日本人受賞の可能性は

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 今年は10月3日の医学生理学賞を皮切りに、各賞の受賞者の発表が始まるノーベル賞。もし日本人受賞者が出れば、3年連続の快挙となるが……。

 まずは医学生理学賞から。

 科学部記者の話。

「がんの抑制薬を開発した本庶佑(ほんじょたすく)(静岡県立大学理事長)や、細胞同士をくっつける分子を発見した竹市雅俊(京都大学名誉教授)など、いつ受賞してもおかしくないと言われている人は何人もいますが、山中伸弥(京大教授)が作製したiPS細胞や、3億人の命を救ったといわれる大村智(北里大特別栄誉教授)の業績に比べれば物足りない。他国の研究成果も目覚ましいものはなく、団子状態です」

 これまで9人の受賞者が輩出した日本の“お家芸”物理学賞はどうか。

3年連続ノーベル賞受賞なるか(イメージ)

「今年は厳しいかもしれません。というのも、昨年9月、アメリカの研究チームが、重力波を検出したと発表したからです。アインシュタインの相対性理論によって予測されたものが実証されたわけですから、そのインパクトは強い。超電導の研究に貢献した細野秀雄(東工大教授)や、300億年に1秒も狂わない光格子時計の開発に携わった香取秀俊(東大教授)らの名前も挙がっていますが、重力波の検出という偉業と比べると、受賞はまだかな、と」(同)

 一方、科学技術ジャーナリストの中野不二男氏はこんな見方をする。

「近年のノーベル賞は、ニュートリノの質量の発見のような基礎研究はもちろん、青色発光ダイオードや大村智さんの研究といった、実用性が高く、社会インフラに寄与した研究にも授与する傾向にあります。その線でいくと、デジカメやテレビのディスプレイに使われる有機ELを開発した山形大学の城戸淳二教授や、電気自動車やスマホの電源として現代生活に浸透しているリチウムイオン電池を発明した吉野彰(旭化成顧問)は、可能性が大いにある。ただ研究は横断的で、物理学賞か、化学賞かは読みにくいですが」

 頂けるならどちらでも。

週刊新潮 2016年9月29日号掲載

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