脱税疑惑の井岡一翔、ド派手な私生活がマルサを本気に? 金箔豪邸を新築し愛車はランボルギーニ

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 破竹の勢いで3階級制覇を果たした井岡一翔(かずと)(27)が、いま、リングの外で窮地に立たされている。金箔御殿を新築し、婚約を発表したばかりのチャンピオンを悩ますのは、マルサという名のハードパンチャー。二人三脚で世界に挑んだ父親はすでにKO寸前で――。

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井岡一翔 公式サイトより

 猛烈なラッシュで挑戦者をリングに沈めると、チャンピオンはセコンドを務めた“父親”に肩車され、高々と拳を振り上げた。

 7月20日、井岡一翔は、3階級目の王座で3度目の防衛を果たした。この時、歓喜に沸く父子は、自分たちに注がれる鋭利な視線に気付いていただろうか。

 視線の主は大阪国税局査察部、通称「マルサ」である――。

 現在、ボクシングの世界王者のうち、日本人は7人を数える。なかでも、井岡一翔は人気・実力ともに抜きん出た存在だ。

「井上尚弥と並んで日本ボクシング界を代表する選手のひとり。抜群のディフェンス技術に裏打ちされた、アウトボクシングが身上の正統派ボクサーです」

 元ボクシング専門誌編集長も、その実力には一目置く。

 元世界王者の井岡弘樹を叔父に持ち、2009年にプロデビューすると、わずか7戦目でWBCミニマム級の王者となったのを皮切りに、史上最速で3階級制覇を成し遂げた。これまで21戦20勝(12KO)の好戦績を誇る。また、そのビッグマウスも知られたところだ。

 12年6月の八重樫東との王座統一戦を前に、6歳も年下の後輩ボクサーは、〈すべての要素において自分が勝っている。KOでも判定でも圧倒的な勝利を見せたい〉と言い放った。さらに、〈この試合は通過点〉〈僕は日本のボクシング界を背負っている〉。

 この試合で有言実行の勝利を収め、3階級制覇後の冒頭の7月の防衛戦でも危なげなく挑戦者を退けた一翔は、まもなく、歌手の谷村奈南との婚約を発表した。チャンピオンが公私ともに絶好調なのは間違いない。

■告発を前提

 だが、好事魔多し。

「大阪国税局のマルサが洗っているのは一翔の父親なのです。すでに大阪・堺市内の“豪邸”をはじめ、関係先にも踏み込んでいます」

 そう明かすのは国税局関係者である。

 一般に、税務署が軽微な申告漏れを担当するのに対し、東京・大阪・名古屋の国税局だけに設置された査察部(マルサ)は、巨額の脱税事件を捜査対象としている。

 元国税調査官で税理士の鈴木修三氏によれば、

「査察部が動くのは脱税額にして4000万円以上、申告漏れの金額が1億円を超えるケース。手口が巧妙で、脱税額が高額な場合がほとんどです。また、査察部の調査は基本的に地検への告発を前提としている」

 つまり、一翔が数多のライバルにマークされる一方、父親は、脱税容疑での立件を視野に、泣く子も黙るマルサから狙われていたのだ。

 では、マルサの“標的”となった一翔の父親とはいかなる人物なのか。

 スポーツ紙のボクシング担当記者によれば、

「一翔のトレーナーであり、彼が所属する“井岡ボクシングジム・プロフェッショナル”の井岡一法(かずのり)会長が父親です。本人もプロボクサーとしてリングに上がりましたが、わずか2戦で引退。その後、トレーナーライセンスを取得して、まだ現役だった弟・弘樹のセコンドについた。ただ、当時は“目立ったキャリアもない素人トレーナー”という評価でした。98年の弘樹と飯田覚士との日本人同士のタイトルマッチでは、判定負けに怒った一法会長が、リング上で大立ち回りを演じたこともある」

 現在も強面ぶりは健在のようだが、愛息の活躍によって、徐々にトレーナーとしての評価を高めてきたのも事実だ。

 12年にはトレーナーとして最高の栄誉とされるエディ・タウンゼント賞を受賞した一法氏。最大の功績は「やはり一翔の3階級制覇」(同)である。

■3階級御殿

 昨春、そんな一法氏の肝煎りで新築されたのが、人呼んで“3階級御殿”。スポーツ紙でも、

〈土地100坪、建坪70坪。駐車7台のスペース。3階建てで4LDK。大理石テーブルに300万円はするソファ。しめて数億円ではきかない〉(15年9月26日付「デイリースポーツ」)

 と、チャンピオンの新居が大々的に紹介された。20畳ぶち抜きの1階部分は「一翔記念館」になる予定だ。さらに、特筆すべきは一翔の寝室。窓側の1面のみとはいえ、その壁には金箔が施されているのだ。

「材料費だけで50万円は下らない。施工費を合わせれば70万円程度になると思います」(金箔加工業者)

 一法氏が尊敬する豊臣秀吉の黄金の茶室をイメージしたという。そのセンスには首を傾げざるを得ないが、天下統一を遂げた太閤・秀吉にあやかって、愛息に“ハク”をつけるつもりだったのだろう。

 ド派手な私生活は金箔豪邸に留まらない。圧巻なのは一翔の愛車だ。

 ポルシェ・カイエン(約1500万円)に始まり、ランボルギーニ・ガヤルドネラ(約3000万円)、さらにランボルギーニ・ムルシエラゴ(約4500万円)と、彼が乗り継いできたのは滅多にお目にかかれない超高級外車ばかり。

 だが皮肉にも、金箔豪邸や高級外車がマルサを本気にさせた可能性がある。

「査察部にはテレビや新聞、週刊誌をチェックする担当者がいて、豪邸を新築した情報も調査の参考にしている。とりわけ銀行が融資していない、資金の出処が不透明な不動産は詳しく調べます」(国税担当記者)

 事実、不動産登記に目を通すと、この豪邸を建築した際、土地を担保に融資を得た痕跡は見当たらない。つまり、“数億円ではきかない”費用をキャッシュで賄ったことになる。

 前出の国税局関係者によれば、「悪質な脱税の時効に当たる7年前まで遡って精査し、所得隠しの総額は少なくとも5億円に上る」という。

「特集 マルサに踏み込まれた3階級制覇チャンピオン『井岡一翔』の金箔豪邸」より

週刊新潮 2016年9月29日号掲載

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