女子ゴルフ穴井詩、イ・ボミを振り切り9年目初V

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 近年、スポーツ界でも散見されるいわゆる“キラキラネーム”。若手の台頭が目覚ましい女子プロゴルフ界は意外と少ないのだが、唯一燦然と輝きを放っているのが穴井詩(28)である。詩と書いて「らら」と読む。

パットで決めた(イメージ)

「音楽好きの子になってほしいから、とお父さんが名付けたそうです」

 とツアー記者が語る。

「11歳でゴルフを始め、お父さんの仕事の都合で渡米。アメリカ仕込みの個性的で豪快なスイングが持ち味です。平均飛距離は270ヤードと典型的な飛ばし屋ですが、曲げることも多い。プロ9年目で、これまで何度か優勝争いを経験しているものの、勝負どころで勝ち切れませんでした」

 そんな穴井が「ゴルフ5レディス」(優勝賞金1080万円)に挑んだ。ゴルフ5所属だから、ホステスプロとしての責務も問われる一戦だったわけだが、

「実は、この大会、昨年までの岐阜県・みずなみCCから、北海道のゴルフ5C美唄Cに会場が変わったんです。飛ばし屋向きの広々としたコースで、“穴井に勝たせるために変更したのでは?”なんて声も囁かれていました」

 その策が実ったのか、穴井は最終日、首位タイ発進。だが、14番得意のロングホールでボギーを叩き、昨年度この大会で優勝したイ・ボミ(28)らに1打差に迫られる。

「飛距離より正確性で勝負するボミには不利なコースですが、さすが賞金女王」

 ただ、穴井も踏ん張った。15番、16番連続バーディで後続を突き放し、悲願のツアー初優勝を果たした。

「それぞれ7メートルと5メートルのパットが決まった。最後はパターに助けられました」

 名前ばかりが輝いていたららが遂に自らキラキラと光り輝いた瞬間だった。

週刊新潮 2016年9月15日号掲載

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