小池百合子都知事の言動を当てる“予言の書” 〈劇場型で都政を運営していったら面白い〉

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 手元に一綴りの文書がある。その文書は、ある人物へのインタビューをまとめたもので、目下、一部の都政担当記者の間で「予言の書」などと大仰な呼び方をされている。

 発言の主は、慶応大学総合政策学部教授の上山信一氏。東京都の小池百合子知事(64)が就任後に設置した「都政改革本部」の取りまとめ役で、大阪府・市特別顧問として橋下徹前大阪市長と共に「大阪都構想」に取り組んだことでも知られる人物だ。インタビューが行われたのは東京都知事選挙がまさに佳境を迎えていた時期で、

「そこでの発言が、その後の小池都知事の言動を予言していたかのような内容になっているので注目されているのです。中にはピタリと符合しているものもあり、この『予言の書』を読めば今後、小池さんが何をするかが分かる、と言う人もいます」(都政担当記者)

小池百合子都知事

 例えば上山氏は、

〈現在の東京の情報公開は本当にひどい。大阪市も10年前はひどかったが、同じぐらいひどいと思う。東京都に資料請求すると、黒塗りになったものも多く出てくるが、それはおかしい。ただし、情報公開については、知事が覚悟を決めて、リーダーシップを発揮すれば変えられる〉

 と語っているが、小池知事は就任後の会見で、

「(これまでに公開された資料は)時には、のり弁のように真っ黒。(情報公開)請求しても、何も分からないという状況だった」

 と発言。「都民ファースト」のため、都の情報公開の在り方を改善していくことを表明している。

■〈劇場型で小池さんが都政を運営していったら〉

 予言的中――というより、小池知事は上山氏の意のままに動く操り人形なのか、と不安になるほどの一致ぶりなのだ。上山氏は、

〈情報公開で関心を引きながら、来年6月まで持ちこたえ、都議選で実質的な小池新党をつくる。新党の議員たちが議会で質問を始めたら、都庁はどんどん情報を提供し始めて、いいサイクルに入っていくだろう。これくらいの劇場型で小池さんが都政を運営していったら面白い〉

 とも発言。今後、実際に「小池新党」が出来たら、まさにこの文書は「予言の書」ということになろうが、「劇場型」の都政運営はすでに始まっている。現在、注目を集めている築地市場の移転問題は、「小池劇場」開幕の舞台だ。

「予言の書」で上山氏は、

〈小池さんに求められるのは、壊すところと、つくるところの両方だ。そのためにも都知事は8年間やったほうがいいかもしれない〉

 とも語っているが、それほどの長期間、彼女は「観客」を魅了し続けられるのか。ちなみに上山氏がバックアップした「橋下劇場」が、あっと言う間に観客からそっぽを向かれたのはご承知の通りである。

特集「築地市場移転を目の敵! 女帝『小池百合子』熱演の代償」より

週刊新潮 2016年9月15日号掲載

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