石川遼、弟との初共演で復活V 腰痛を克服

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「兄ちゃんが優勝してうれしい。やっぱり、うまいなと思った」

 と語ったというのは、浦和高校2年生の石川航(わたる)君(16)。石川遼(24)の弟だ。

 福岡県の芥屋(けや)GCで行われた「RIZAP・KBCオーガスタ」(優勝賞金2000万円)。石川遼は、アマ大会で優勝して出場権を得た弟と初めての競演と相成った。

 残念ながら航君は最下位で予選落ちしてしまったのだが、遼はそんな弟に貫禄を見せつけた。初日から最終日まで首位を譲らぬ“完全優勝”を果たしたのだ。

「今大会のデータをみると、遼のフェアウェイキープ率は4日間トータルで54位。しかし、巧みなアプローチでパーオン率は34位としています」

 とツアー記者。加えて、平均パット数は1・58の3位。これが決め手となった。

「賞金王になった2009年もパット部門1位でしたし、もともと遼はパットが得意です。ただ、ここ数年は、センターシャフトやマレット型などいろんなパターを試していて、迷いが生じているように見えました。今大会は、かつて愛用していたL字型に戻しています」

 今年上半期、遼は人生最大の苦境に立たされていた。腰痛で2月から米ツアー離脱を余儀なくされたのである。優勝会見で遼は当時を振り返り、

「日常生活では痛くないのに、クラブを振ってみると振れない、というのはストレスでした。ゴルフが出来ないのは自分じゃない、と感じました」

 その一方で人生最大の幸福にも浸っていた。3月、中学の同級生と結婚したのだ。遼が続ける。

「怪我をしてなかったら一緒にいる時間はなかったと思うので、人生という大きな視点でみると、悪い時間ではなかったです」

 遼は、9月の国内ツアー2戦に出場後、渡米する。

 悲願の米ツアー初Vへ――再挑戦は妻とともに。

週刊新潮 2016年9月8日号掲載

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