リオ五輪、競技で異なるメダル報奨金 水泳は3000万円減

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 五輪「アマチュアリズム」の建前も今や昔。今日ではメダリストに堂々報奨金が出る時代である。日本チームが過去最多、41個のメダルを獲得したリオ五輪で、受難を味わった競技とは?

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金メダルを取ったものの(金藤理絵オフィシャルブログより)

 報奨金には、JOCが各メダリストに一律に出すものと、各競技団体が各々の競技のメダリストに渡すものの「2種類」がある。

 スポーツライターの話。

「JOCは金メダリスト1人に500万円、銀に200万円、銅に100万円を付与する、と定めています。一方、競技団体の報奨金には、協会によって差がある。リオの場合、日本が金メダルを取った5競技のうち最も高いのは、バドミントン協会の金メダル1つにつき1000万円です」

 高橋・松友両選手はそれぞれ、(JOC分)500万円+(協会分)500万円=計1000万円を手にすることになる。一方、

「安いのは柔道と水泳。全柔連や水連からの報奨金はゼロですから、金メダルを取った大野将平や金藤理絵も、JOCからの500万円しかもらえません」(同)

 その差は2倍。近頃はやりの「同一労働同一賃金」の観点からすれば、柔道家やスイマーは“労働条件”に難ありと言えるだろう。

 ちなみに水泳は、その前のロンドン大会で、スポンサーのGMOクリック証券から金メダリストに3000万円が出ることになっていた。しかし「今回は出す予定はない」(同証券)と言うから、金藤選手らにとっては大き過ぎる痛手である。

 他の金メダル競技は、体操550万円、レスリングは、500万円+「旅行券100万~150万円を出す方針」(協会広報)という具合。しかし、

「僕は報奨金の額はもっと上げるべきだと思います」

 とは、五輪メダリスト・池谷幸雄氏である。

「1億円でもよいくらい。それだけもらえれば夢があるし、後進を指導するための準備金にもなると思うのです」

 とまれ、五輪は終った。「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡」。この句に倣い、戦い果てた戦士たちの夢の後を見届けるのもまた一興と言えよう。

「ワイド特集 『メダル』の夢の後始末」より

週刊新潮 2016年9月1日号掲載

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