フェンシング太田雄貴、ゆくゆくはIOC委員に?

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フェンシング(※写真はイメージ)

 三島由紀夫は東京五輪観戦記を、「すべてのスポーツには、少量のアルコールのように、少量のセンチメンタリズムが含まれている」と始めている。とは事変わり、一切の感傷もなく剣を置くと宣言したのが、他ならぬフェンシングの太田雄貴(30)。そして、いつか手にしたいのが「IOC委員」様の座だと言うのだ。

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 太田は北京で個人銀、ロンドンでは団体銀を獲得。リオ五輪では、「金メダルだけがキャリアの中で欠けている」とぶち上げていたものの、蓋を開ければ格下に初戦敗退という結果に終わった。

「“未練もない”とサバサバしていたのは競技に思い入れがなくなっていたから」

 と、さるJOC関係者。

「彼にはプライベート・バンカーのパトロンが2年ほど前からつき、高級料亭などでしょっちゅう飲食している。ここ2カ月だけでも、『京味』、『さいとう』、『緒方』、『と村』、『星野』に『笹田』などと、アスリートらしからぬ美食家然とした日々だった」

 その一方で太田は、

「スポーツ界に尽力したい」

 とも表明している。その意図を運動部デスクに解釈してもらうと、

「東京五輪の招致メンバーとして世界的に注目を浴びてからというもの、ゆくゆくはIOC委員になりたいという気持ちが強くあるんです。とはいえ、自己中心的な言動からJOC内では煙たがられている。そのうえ、メディア対応をしばらく拒否してきたので、我々の間でも評価する声をとんと聞きませんね」

 スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏がこう苦言を呈する。

「IOC委員になりたいというのは権力欲からなのでしょう。でも、まだ30歳で選手としても活躍できる年齢ですし、人生はこれから。今回の敗退を、自分を見つめ直す良いきっかけにしてほしいものです」

 IOC委員の条件のひとつが70歳未満であること。急ぐ理由などないのだ。

「ワイド特集 やがて哀しき『リオ五輪』」より

週刊新潮 2016年8月25日秋風月増大号掲載

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