新たな元号、誰がどうやって決める?〈生前退位の大疑問〉

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 1979年に制定された「元号法」は「元号は、皇位継承があつた場合に限り改める」と定めている。「平成」改元時の内閣官房副長官、石原信雄氏によると、

「新元号の選定手続きとしては、まずは何人かの漢学者や歴史学者の大家に依頼し、それぞれ複数の案を出してもらいます。87年に私が官邸入りした時には、学者の方々に対する案の提出依頼はすでに済んでいました」

 無論、元号に使用される漢字にも決まりがある。

「使える漢字というのは、大体70文字くらいです。その組み合わせ方も適当に選ぶのではなく、『書経』や『漢書』のような漢籍の10文字程度の名文句の中から2文字を選び出す例がほとんどです」(『年号の歴史』の著者でもある所功・京都産業大名誉教授)

 学者たちが出してきた案が過去に元号として使われていないかどうかなどをチェックして候補を絞り込み、

「天皇崩御の直後に『元号に関する懇談会』が開かれ、案について意見を聞きます。平成の時は、3つの案の中から平成が支持され、懇談会の意見を受けて内閣が閣議決定しました。また、新しく即位された陛下には、当然、発表前に新元号について報告されています」(先の石原氏)

 平成という元号が決まった翌日には、早くも「次」の準備が始まっていたという。今回の報道を受け、担当者たちはいよいよ新元号案の絞り込み作業に手をつけただろうか。

「特集 『天皇陛下』生前退位に12の大疑問」より

週刊新潮 2016年7月28日号掲載

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