高円寺のジャック・スパロウ逝く 「本物そっくりと言われるのが快感」
“高円寺のジャック・スパロウ”
亡くなった男性は身元が分からず、すぐに名前が判明することはなかった。だが、その恰好からは、一目瞭然。誰もが、あの人に違いないと――。
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」でジョニー・デップが演じた海賊の「ジャック・スパロウ」。その姿にそっくりの恰好をし、イベント等で活動していた堀川和夫さん(44)が、交通事故で亡くなった。
社会部記者が言う。
「事故が起きたのは、7日の午前3時過ぎ、杉並区の青梅街道上り線でした。横断歩道のない片側2車線を渡ろうとした堀川さんが、57歳の男が運転する乗用車にはねられたのです」
車の運転手は、自動車運転処罰法違反で現行犯逮捕。堀川さんは病院に搬送されたが、12時間ほど経った14時58分に息を引き取った。
「堀川さんは、当初、身分証を持っておらず、しばらくして警察が携帯電話の名義等から確認を取った後、正式に名前を発表しました。もっとも、事故の第一報の時点で、ジャックの衣装を着けていたため、スポーツ紙などは堀川さんを前提に報じていましたね」
それほど、繁華街では知られた存在だったというわけだ。実際、9年前には小誌(「週刊新潮」)グラビア頁にも登場したことがある。当時は、
「本物そっくりと言われるのが快感で、質の良い愉快犯みたいなものです」
と、語っていた。「高円寺ジャックスパロウ」と名乗り、飲食店で物真似を披露したり、イベントに出演する一方、中野にケーキ屋を出店したこともあった。店があった近所で、バー「中野のぶるちゃん」を経営する元女子プロレスラーのブル中野さんの話。
「ウチの店にもよく来てくれました。あの姿で来た時は、ジャックと呼び、素顔で来た時は、“カズ”。私のことも本名で呼んで、慕ってくれたのに……」
映画の中では生き返ったが……。
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