福島瑞穂、党首を落として当選会見 「デリカシーがないとしか」
社民党の福島瑞穂副党首
日頃、自分が正しいと思っている人ほど、デリカシーがないものである。さて、この人の場合はどうか。社民党の吉田忠智党首(60)を落選させ、自分だけが当選した福島瑞穂副党首(60)。今回の結果に後ろめたさなど、微塵も感じていないようなのだ。
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「中々辛いことですね……」
その後、5秒程沈黙して、
「選挙戦の中では、それぞれの持ち味を生かして競い合うことが大事である、と申し上げて参りました」
10日夜、永田町の党本部で行われた会見で、福島議員と議席を奪い合う形になったことについて聞かれ、こう答えた吉田議員。5秒の沈黙に、彼の口惜しい思いがにじんでいる。
そもそも、社民党が比例で2議席取るのは至難の業。そこで、吉田議員は福島議員に再三、選挙区に回るよう要請した。が、彼女は頑なに拒否し、2人が比例で出馬する事態となったのだ。
「知名度は福島さんが圧倒的に上ですからね。ある意味、当然の結果と言えます。ただし、マスコミの情勢調査では、彼女の落選もあると言われていた。ご自身も相当肝を冷やしたようです」(政治部デスク)
冒頭、ご紹介した吉田議員の会見が終わると、同じ会見場で、テレビ局やラジオ局が順々に中継を行った。1つの番組での持ち時間は5~10分程。吉田議員と福島議員が交互に出演した。
その際、2人は2度、すれ違う機会があったという。
■「どうも」
23時37分。NHKの中継が終わり控え室に戻る吉田議員と、次のTBSの中継に向かう福島議員が廊下ですれ違った。しかし、お互いを無視していた。
23時54分。ニッポン放送の中継を終えた吉田議員が退場。その際、入口脇にいた福島議員が「どうも」と明るく声を掛けた。もっとも、吉田議員は強張った表情をしながら無言で頷き、控え室に戻ったという。
「福島さんが声を掛けたのは、明らかに不自然でした。自分が落選させておいて、普通は“どうも”なんて声を掛けないでしょう」(居合わせた記者)
吉田議員の心中やいかばかりか。
「福島さんは、党本部で会見をやったことが間違いなんです」
そう話すのは、社民党関係者である。
「元々、選挙時の会見は、昔から党首とナンバー2の幹事長がやることになっています。福島さんは現在、副党首なので党本部で会見をやる必要はないんです。テレビやラジオの取材を受けるなら、四谷にある自分の選挙事務所で受けたらよかったんだ。自分が吉田さんを落選させ、ノコノコと党本部に来て会見をやるなんて、デリカシーがないとしか言いようがありません」
獲得議席の大勢が判明した後、吉田議員は、
「どちらが落選しても残念と言わざるを得ません。党首としても、候補者としてもですね」
と、諦めがついたかのように笑っていた。
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