ロボット爆弾で狙撃犯を爆殺 史上初の行為に人権団体も反応

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 狂気に憑かれた戦地帰りの元兵士が、警官を次々と殺戮してゆく――映画「ランボー」の原作『一人だけの軍隊』さながらの悪夢が7月7日、テキサス州ダラスで起こった。相次ぐ警官による黒人射殺事件への抗議デモ。その警備に当たる警官たちが、突然、何者かに狙撃されていったのだ。

混乱のダラス(写真・ゼータイメージ)

「デモ終了間際に銃声が響き、現場はパニックになりました。誰が、どこから撃っているのかわからない上、テキサス州法ではライフルを街中で持ち歩いても合法。そのため、デモ隊の中にも20人ほど銃を肩にかついだ参加者がおり、彼らがバラバラに逃げ出したため大混乱です」(現地記者)

 移動しながら狙撃を続けるスナイパーにより警官5人が死亡、7人が負傷。防弾チョッキを着込み、AR-15半自動小銃と拳銃で武装した男は、1対1で対処しようとした警官を至近距離からの銃撃でも殺害している。犠牲になったのは白人ばかり。犯人はダウンタウンの立体駐車場に追い詰められたが説得は難航する。

マイカ・ジョンソン


「男はアフガニスタン従軍経験のある黒人マイカ・ジョンソン(25)と判明。〈白人警官を殺したかった〉と交渉人に語りました」(同)

 投降を拒否し、“もっと殺す”と言い募る危険な男を最終的に警察は、史上初めて「ロボット爆弾」で爆殺したと発表。人権団体は“自律型殺人ロボットは危険だ”などと反応した。

 軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は言う。

「ダラス警察が保有するノースロップ・グラマン社製の爆弾処理ロボット“アンドロス”は遠隔操作タイプ。人間が操作して犯人に接近、アームで持ち込んだ爆弾を爆発させたと見られます」

 さすがに“ターミネーター”の登場ではなかったか。

「ただ、凄まじいスピードで進化しているロボットやドローンが、今後こうした危険な場面で使用される機会は増えるはずです」(同)

「ランボー対ターミネーター」は、映画ならば見てみたいが。

週刊新潮 2016年7月21日参院選増大号掲載

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