EU諸国、あの手この手でイギリスいじめ… 混乱続くEU離脱の疑問(6)

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 国民投票を受けた6月28日のEU首脳会議。

〈トマトソースで煮た豆も、プディングもないね〉

 夕食会の席でチェコの高官がそんなツイートを残した。確かにこの日の献立には、英国料理はゼロ。それをからかったのである。

 同じく28日、EUのトップ・ユンケル欧州委員長が「離脱派」のイギリス欧州議会議員を見つけて、

「何でここにいるんだ!」

 と毒づいた。

 苛めとは、時に大人の方が質(たち)が悪くなるもの。一方的に離婚届を突きつけられたEU諸国は、あの手この手でイギリスに「嫌がらせ」を行っているのだという。

 例えば、

「この首脳会議では、EU諸国のイギリスへの厳しい姿勢が鮮明になりました」

 と言うのは、全国紙の外信部記者である。

「共同声明では、イギリスに対し、『早期の離脱』を求め『離脱通知前にはいかなる交渉にも応じないこと』、『移民を受け入れないなら、自由貿易圏に入れないこと』が発表されました。これ以上、離脱国を出さないための“見せしめ”として、厳しい態度が取られたのです」

 その最たるものが、英語の公用語外しの動きである。

「27日、欧州議会議員がイギリス離脱後、英語を公用語から外す可能性について述べました。英語は世界でもっとも広く使われている言語ですから、これもイギリスを腐してやろうという現れでしょう」(同)

 仲間から抜ければ、みんなで集中砲火。これで「正義」「結束」がEUの理念とのたまうのだから、臍で茶を沸かしてしまうのである。

「特集 まだまだ大混乱! 英国『EU離脱』7つの疑問」より

週刊新潮 2016年7月14日号掲載

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