ドゥラメンテの第二の人生 “種付け料”は最低1000万円

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 悲劇は突然訪れた。昨年の皐月賞、日本ダービーを制したドゥラメンテ(牡・4歳)が、6月26日の宝塚記念で故障が発生し、競走馬としての能力を喪失してしまったのだ。

 競馬担当記者の話。

「ゴール直後にバランスを崩し、左前脚の靭帯と腱を損傷しました。その後、快復が見込めないと獣医師が判断し、引退が決まりました。あのディープインパクトでさえ果たせなかった、日本産馬初の凱旋門賞制覇の期待がかかっていただけに、今回の故障は残念でなりません」

 夢半ばにして図らずも、種牡馬として第二の“馬生”を過ごすことになった次第。

「早ければ来春から種付けが始まり、初年度産駒がデビューを飾るのは、東京五輪が開かれる2020年になります」(同)

 父はダービー馬のキングカメハメハ、母はエリザベス女王杯を2連覇したアドマイヤグルーヴという超良血馬。どんな駿馬が生まれるのかと、関係者の期待値は高いが、

「種付け料は破格になることが予想されます」

 とは、さる馬主関係者。

「二冠という戦績や血統もさることながら、『凱旋門賞に届いたかもしれなかった』という、強烈な印象を残せたことが大きい。故障で引退したことはマイナスですが、それでも最低1回1000万円の値はつくのでは」

 これは、ディープインパクトの初年度種付け料の1200万円に肉薄する額である。初年度の種付け数は一般的に、60頭ほどという。

「凱旋門賞で優勝しても賞金は3億円程度。重大な故障が発生すると種牡馬にすらなれない可能性もあったわけです。幸い、種牡馬なら、後10年は活動でき、年間種付け数は100頭と考えて、計100億円稼ぐのも夢ではない。今回の故障で馬主側は、密かに胸をなでおろしているのでは」(同)

 これぞ、塞翁が馬。

週刊新潮 2016年7月14日号掲載

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