英国に続くのは――オランダ、フランス、デンマーク説 英国EU離脱20の疑問(12)

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EU離脱ドミノで次に倒れそうな国はどこか?

 日本では報じられていないが、イギリスのEU離脱が決まると、ドイツの大手紙「ディ・ヴェルト」は、こんな記事を載せた。

〈我が国の財務省の文書によれば、イギリスの離脱の影響を受け、フランス、フィンランド、オーストリア、オランダ、ハンガリーの5国が、ドミノ倒しのようにEUから離れることにドイツは怯えている〉

 EUに加盟している国はそれぞれ拠出金を支払い、代わりに分配金を受け取るという仕組みになっているが、主要国の負担は相当に重い。なかでもドイツは、毎年約170億ユーロを支払っていることから「ドミノ倒し」が起きて、さらなる負担増につながることが一番の恐怖なのだ。実際、その胎動は無視できない。

EU崩壊』の著者でロンドン在住の国際ジャーナリスト・木村正人氏が言う。

「地元の新聞には早くも『Nexit(オランダの離脱)』、『Frexit(フランスの離脱)』という見出しが躍っている。オランダには自由党のウィルダース党首、フランスでは国民戦線のルペン党首が手ぐすね引いて選挙を待ち構えていますからね」

 それだけではない。オーストリアでも「反移民」を掲げる自由党が頭をもたげて来ている。ドイツ在住のノンフィクション作家、クライン孝子氏によるとデンマークも危ないと言う。

「デンマークにも王室があり、イギリスとは歴史的な結びつきが強い。王室を抱える国ならではの連帯感が離脱したいという機運に繋がりかねません」

 人が作ったものはいつか壊れる。EUも例外ではない。

「特集 ヘイトと衆愚が理性にまさった? 地球的大混乱で誰が笑うか? まさかの英国『EU離脱』20の疑問」より

週刊新潮 2016年7月7日号掲載

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