哀川翔、奥田瑛二も出演 「法の華」教祖の自伝映画が公開延期に

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 春、新緑の季節、そして今度は秋……。「法の華三法行」の元教祖である福永法源(71)の自伝的映画の公開が、延期に次ぐ延期となっている。かつて「最高」のキーワードで世間を騒がせた福永だが、映画は公開前に早くも最高とは言い難い状況を迎えている。

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「最低」の心境?

「あなたの足裏を診断したが、このままでは癌になる」

 こう言って信者の不安を煽(あお)り、修行代などと称して多額の金を集めていた福永。彼が信者の前で「最高ですか~?」と語りかける「神がかった」姿を記憶している読者も多いだろうが、彼は2000年に詐欺容疑で逮捕された後(のち)に実刑判決を受け14年まで服役していた。

 そんな福永の半生を描く映画「塀の中の神様」の製作発表が行われたのは昨年9月。彼の青年期と中年期を別の役者が演じ分け、哀川翔や奥田瑛二といった俳優が脇を固める豪華さに加え、ヤクザ映画などで定評のある高橋伴明監督がメガホンを取るとあって話題となった。しかし、

「当初、公開は4月と謳(うた)われていて、実際、プロデューサーもそう明言していたんですが……」

 こう振り返るのは1月の試写会に参加した芸能記者。

「ところが4月になっても公開されず、その後、5月中旬に変更されたものの、今に至るも一向に公開される気配がありません」

 そこでプロデューサー氏に改めて訊(き)いたところ、

「現在、編集し直していて、10月に公開予定です」

 と、「今、店を出たところです」が常套句の、そば屋の出前然とした釈明をするばかり。

 これに対して高橋監督は、

「製作サイドから、編集し直さなければいけないと聞いていますが、私としては既に作品を完成させたつもりなので、今、あの映画に関わっている余裕はない。編集し直されたものをチェックし、事後承諾するしかありません」

 こう戸惑うのだった。

■福永の独白

 映画業界関係者が打ち明ける。

「この映画には福永本人も出演。10回以上登場し、『(修行代の価格設定は)天(の声)です』などといった発言が紹介されています。これでは、法の華を礼賛していると言われても仕方がない。そもそも、福永の独白を聞きたい人なんているはずがありません。結果、倫理面と営業面から、映画館サイドに公開を断られたと聞いています」

 福永の取材窓口である法の華の実質的な後継団体は、

「(質問に)答える材料がない」(法務広報局)

 法の華被害弁護団で、映画の試写映像を実際に観た紀藤正樹弁護士が呆れる。

「福永氏の登場シーンには、彼の言い分がそのまま収められていました。有名な俳優を起用し、一見、劇映画を装っていますが、内容は福永氏のPR映画と言わざるを得ません」

 陽の目を見る前にケチがついた「法の華映画」は目下、公開という決戦にも挑めない「徒花(あだばな)映画」となりつつあるようだ。

「ワイド特集 雨中の決戦」より

週刊新潮 2016年7月7日号掲載

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