田中真紀子、角栄ブームでも求心力低下……集会に30人しか集まらず

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 書店をのぞけば関連本が平積みとなるなど「田中角栄ブーム」の様相を呈しているが、無論その娘夫婦までもが再評価されているわけではない。民進党の田中直紀参院議員(76)と、彼をバックアップする妻の真紀子サン(72)。目下、パパは厳しい戦いを強いられている。しかし真紀子サンにも以前のような人寄せ「神通力」は全くなく……。

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田中真紀子氏(72)

「真紀子さんは最近、ベストセラーになっている石原慎太郎氏の著書『天才』を読み、こう言っていました。“(石原氏は)昔はおかしな奴だったけれど、この本はよく書けている”と」(真紀子氏の後援会関係者)

 が、真紀子サンには父・角栄を扱った本を読んで悦に入っている余裕はないはずなのだ。来る参院選、パパは新潟選挙区から比例代表に転出して戦うのだが、

「田中議員は、自ら比例代表への転出を党に申し出たのですが、理由は単純。選挙区では勝てない可能性が高いからです。選挙区での落選は田中家のプライドが許さない。で、比例代表にかけてみることにしたようです」(民進党関係者)

 しかし、比例代表でも厳しい情勢には変わりなく、

「全国比例の当落を左右する得票数はその時々の状況で変わってくるので一概には言えませんが、最低15万票はないとダメ。今のままでは田中さんは10万票がやっとという感じです」

 と、民進党選対関係者。

「田中さんはご当地型というか地域限定の候補者。地元に角栄さんの時代からの後援会があって、その人たちをしっかり固めて前回は約44万票をとった。こういう候補者は比例代表に転出しても地元中心に回るのは当然なのですが、それで前回の半分の票が取れると思ったら大間違いです」

■寂しい光景

 そんなパパの窮地を救えるのは真紀子サンをおいて他にいまいが、その前途を不安視せざるを得ない光景が、5月22日、新潟県佐渡市で行われた集会で繰り広げられていた。

「その日は直紀さんの国政報告会で、真紀子さんも来られていました。直紀さんは安保法制やTPP、原発についての民進党の立場を説明していましたが、真紀子さんは直紀さんの選挙に関係する話はせず、田中角栄の『遺墨展』の案内に力を入れていましたね」(集会に参加した佐渡市議)

 問題はその集会の参加者の人数で、

「会場は50人入れば一杯になるような小さな会議室だったのですが、そこに30人くらいしか入っていなかったのです」

 と、佐渡市議は言う。

「以前の真紀子さんの勢いは本当にすごかったですからね。2003年、ある候補者の応援のために真紀子さんが佐渡に来た時には、2つの大きな会場に約1000人ずつが詰めかけました。それと比べると、今回は少し寂しかったですね」

 比例代表は初めてなので戦い方が分からない――。人寄せ「神通力」が消滅してしまった真紀子サンは、周囲に対してそんな弱音も吐いているという。

「特集 『参院選』女たちの開戦通告」より

週刊新潮 2016年6月30日号掲載

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