泥酔女性を“お姫様抱っこ”で自室に監禁…「連れ込まれた女性は10人どころじゃない」(近隣住民)
週末、早朝の電車内。痛飲で眠りこける女性をひたすら物色している男がいた。獲物を見つけると、知人を装って隣に腰掛け、連れ去るのだ。男が「お姫様抱っこ」で自室に女性を運ぶ姿は近隣で頻繁に目撃され、被害者数は2桁に及ぶという。
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暗がりの洞窟の奥にはいくつもの部屋が設(しつら)えられ、多くの女性が同時に監禁されていた。犯人の目的は、生きた女性をそのままコレクションすることだった。
モーガン・フリーマンが警察の犯罪心理学の専門家役を務めた映画「コレクター」(1997年)は、倒錯した犯人の異常心理をおどろおどろしく描いた。
翻って、今般、我が国で世上を騒がせている女性連れ去り男の監禁部屋はわずか7畳のワンルームアパートだった。その室内を覗くと、ベッドでほぼ空間が埋まっており、テレビ、炊飯器の他、被害女性のものと思しきバッグが残されていた。
■目を覚ますと男が…
6月18日、女性の監禁容疑で逮捕されたのは、神奈川県相模原市の派遣社員、栗田良文(33)。事件は同月4日に発生した。前夜から新宿で知人と飲み会を行っていた会社員の女性(28)は明け方、足立区内の自宅に帰るため、JR新宿駅から山手線に乗車。泥酔状態だったため、すぐ眠りに落ちてしまったという。
気づくと、見知らぬ部屋のベッドの上に横たわっていた。自分は今どこにいるのか。事情が呑み込めず、ポカンとしている彼女のそばに、一面識もない、恰幅の良い長髪の男がいた。
驚いた彼女は隙を見て、玄関から逃げ出し、近所のコンビニに駆け込んだ。時間は5日の午前4時44分。電車に乗ってからほぼ丸一日が経過していた。
「女性は最初、店内をぐるっと回り、飲み物とタバコを買われました。“公衆電話はありませんか”と尋ねたので、教えると、店外に出て、タバコを吸っていた」
と語るのは、そのコンビニの店員である。
「しばらくして店内に戻ってきて、レジの店員に“電話を貸してください”と言う。理由を訊くと、“知らない男性の部屋に連れ込まれていたので、警察に通報したいんです”と答えました。そこで店員が110番し、彼女に代わりました」
女性が駆け込んだコンビニ
■“いえ、大丈夫ですよ”
所轄の相模原警察署には昨年9月以降、女性からの同様の相談が他にも4件、寄せられていた。おそらく栗田の余罪で間違いあるまい。もっとも、彼の自宅界隈では、4~5件どころか、常習的に酩酊女性を自宅に連れ込む栗田の姿が目撃されていたのである。
現場アパートの隣に住む婦人はこう明かす。
「あの人がこのアパートに引っ越してきたのは3年ほど前です。部屋に女性を連れ込むところを、私が初めて目撃したのは、2年半前のこと。朝9時ごろ、タクシーが停まったので、見ると、あの男が降りてきた。車内には泥酔して歩けない女性がいる。まず彼が自分と女性の荷物を3階の部屋に置きにいき、タクシーに戻って、彼女を引っ張り出していました。そして、“お姫様抱っこ”の形で抱きかかえ、階段を上がっていくんです。女性は意識不明の状態ですので、心配になり、“救急車を呼びましょうか”と声をかけると、彼は“いえ、大丈夫ですよ”と極めて自然な様子で答える。それ以来、私は少なくとも、7回以上は、酩酊した女性を部屋に運び入れる様子を見ています」
女性が監禁されたアパート
地元のタクシーは相模ナンバーだが、栗田が泥酔女性を“持ち帰る”際の車は、品川や練馬、横浜のナンバーが多かったという。
「だから、タクシー代がかかって大変だなと思っていたの。私の息子も、私とは別の日に同じ光景を何度も目撃しているんですよ」(同)
その息子さんも、
「私も3回以上は見ています。正体を失った女性を、栗田がお姫様抱っこやおんぶする形で3階まで運んでいくんです。おそらく部屋に連れ込まれた女性は10人どころじゃないはずですよ」
近隣では栗田の行為は日常の光景と化していたが、興味深いのは、目撃された曜日に共通点があることだ。
「いつも土曜、日曜の朝でした」(先の婦人)
つまり彼は、翌日からの休みを控え、解放感から羽目を外して深酒し、前後不覚になった女性を探し求め、始発から電車内を徘徊していたことが推察されるのだ。
「そして車内で居眠りしている女性を見つけると、隣に座る。介抱するふりをして、電車から降ろし、タクシーで相模原まで運んでいた」(捜査関係者)
相模原署副署長によれば、
「身体に危害が加えられていたかどうかについても調査中ですが、ただ衣服は着たままの状態で目覚めています」
本人は、“自分の行為は監禁でない”と容疑を否認しているという。
「特集 『お姫様抱っこ』で酩酊女性を運び入れる『監禁男』のお部屋」より
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