“蓮舫の後出し”を警戒する、自民党の都知事選候補者 「石原経済再生担当相の公算大」
セコくてドケチであったためにその地位を追われた舛添要一前都知事(67)の後継者争いが、混迷の度を深めている。
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“大言壮語のパフォーマンス好き”、さらに“上から目線で態度が傲慢”、続いて、“政治資金を家計の足しにする”という特徴を持つ都知事が3代も続いて、都民はほとほとウンザリ。
知名度はなくとも、クリーンで、なおかつ実務能力に長けた候補者が出てくることに期待したくなるのも当然である。
そこで、現在、ポスト舛添として名前の挙がっている候補者はどのような人物なのか、検証することにしよう。
民進党の蓮舫代表代行(48)
■蓮舫代表代行の“後出しジャンケン”
まず、大本命と見られていたのが、民進党の蓮舫代表代行(48)である。
ところが、6月18日、参院選に向けた事務所開きで、「私のガラスの天井は国政にある」などと支援者らを前に挨拶し、都知事選出馬見送りを明らかにしたのはご存じの通りだ。
なぜなのか。
「このところの都知事選は、告示直前に出馬を表明する“後出しジャンケン”が勝利の方程式です」
と解説するのは、政治部デスクである。
「ですが、蓮舫さんの場合、都知事選の告示日である7月14日ではなく、改選を迎える参院選の公示日、6月22日までには出処進退を明らかにしなければならなかった。2010年の参院選で170万票を獲得し、トップ当選を果たした彼女が、もし都知事選に出てきたら、自民党は橋下徹前大阪市長でも担ぎ出さない限り、勝ち目はない。蓮舫さんとしては、参院選不出馬イコール都知事選出馬を決めたあと、自民党が必死になって、橋下擁立に走ることを最も怖れたに違いありません」
さらに、都議会では、自民、公明の与党議員が3分の2を占め、民進党は1割程度。晴れて当選したとしても、議会運営が一筋縄でいかないこともその理由の一つであると見られている。
とはいえ、民進党執行部には、依然として、蓮舫待望論が根強く残っているのもまた事実である。
そのため、蓮舫代表代行にしかできない、究極の“後出しジャンケン”を自民党は警戒しているという。
「参院選の投票日は、7月10日。東京選挙区で勝ち上がった蓮舫さんが参院議員を3日間だけ務め、都知事選の告示日ギリギリに、都知事選への出馬を表明することもあり得るのではないかと。しかも、民進党の2人目の候補、小川敏夫さんは当選圏の6位までに入るのは望み薄。でも、次点に滑り込めば、蓮舫さんが辞めると繰り上げ当選になる。万事順調に運べば、民進党は都知事と参院議員の1議席、両方を手にすることができるのです」(同)
舛添前都知事以上にセコいと批判を浴びそうではあるものの、やってできない手ではないのである。
一方、自民党は究極の“後出しジャンケン”の可能性を横目で睨みつつも、誰を擁立しようとしているのか。
小池百合子元防衛相(63)
■小池元防衛相は「ノーコメント」
自民党の都連幹部が明かす。
「蓮舫さんの不出馬表明を額面通りに受け取れば、我々にとってそれはターニングポイントになります。というのも、ある程度の候補者を選びさえすれば民進党に勝てる見込みが立つからです。候補者のハードルを下げることができ、選択肢の幅が広げられます」
そのなかで、とりわけメディアを賑わしているのは、小池百合子元防衛相(63)である。
「あちこちのテレビ局の取材に応じ、出馬について問われて、“ノーコメント”を連発しているから、やる気満々なのは見え見えです。かつて、防衛大臣などの要職に抜擢してくれた安倍総理を裏切り、4年前の総裁選で石破さんの支持にまわって以来、党内ではずっと、冷や飯を食うしかない状況。ならば、いっそのこと国会議員に見切りをつけ、都知事に転身を図りたいのではないでしょうか」(同)
しかしながら、本人の意向とは裏腹に、自民党執行部からは、都知事選の候補者としても、蚊帳の外に置かれているという。
小池元防衛相に聞くと、
「無愛想で申し訳ないのですが、出馬への打診もありませんし、ノーコメントとしか言いようがありません」
とのこと。
丸川珠代環境相(45)
■丸川環境相、櫻井パパの名も…
同じく、女性候補では、丸川珠代環境相(45)の名前も取り沙汰されている。
ベテランの政治ジャーナリストが語る。
「実は、丸川さんにその気があるのか訊ねてみたところ、“ない、ない!”と、すぐさま否定しました。そのうえで、“誰が私の名前を吹聴しているのか、分かっているのよ”と腹に据えかねた様子で、稲田朋美政調会長のことを匂わしていた。お互い、“安倍ガールズ”のなかでも、特別に安倍総理の寵愛を受けている。そのライバルが永田町から自分を排除しようとしているのではないかと、丸川さんは勘繰ったわけです」
どの道、国会議員出身となると、舛添前都知事のように、“政治とカネ”の問題を追及されないとも限らない。
そこで、自民党が“安全パイ”として摸索しているのは、役人上がりの候補である。
その筆頭は、櫻井俊前総務事務次官(62)だ。
国民的アイドルグループの嵐のメンバー、櫻井翔の父親であることは、あらためて言うまでもない。
「櫻井パパは、総務大臣経験者である菅官房長官と太いパイプを持っています。実際、事務次官就任後、月に何度も官邸を訪れては、菅官房長官と会談を重ね、昵懇の間柄なのです」(同)
加えて、櫻井パパは、ポスト舛添に求められる3つの条件を兼ね備えているという。
「1つ目は女性問題がなく、金銭面がクリーンであること。2つ目は、最低当選ラインの200万票を集められる知名度があること。選挙年齢が18歳に引き下げられたことも考慮すれば、息子のおかげで十分な得票が見込める。3つ目は自民党にとって扱いやすく、従順であることです。現段階では、櫻井パパは出馬を否定していますが、安倍総理が直接乗り出せば、元役人という立場から説得に応じるかもしれません」(同)
他にも、村木厚子前厚労事務次官(60)や、齋木昭隆前外務次官の妻、齋木尚子外務省国際法局長(57)などもリストアップされているという。
■石原伸晃経済担当相の公算が“大”
しかし、前出の自民党都連幹部によれば、
「安倍総理が、小池さんでは首を縦に振らず、かと言って、櫻井パパら官僚出身者にも軒並み断られた場合、結局、都連会長の石原伸晃経済再生担当大臣に白羽の矢が立つことになる公算が大です。来年に還暦を迎え、国会議員をこれ以上続けていても、展望はなさそうだし、なにより都知事の味を占めた父親の慎太郎さんが、息子にも経験させたがっているという話も伝わってきています」
1300万人の都民を束ねる権力の座には一体、誰が座ることになるのか。
「特集 いい顔が見つからない『東京都知事選』の陰謀」より
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