舛添元都知事、「身の危険を感じている」と警備を依頼 引っ越しはリフォームのため?

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 右翼の街宣車が、東京・世田谷区内の自宅周辺を引きも切らず訪れる状況に、舛添元都知事は、「身の危険を感じている」と漏らしたという。そのため、警視庁による最高レベル級の警護体制が敷かれることになった。なおかつ、自宅からも家族とともにひっそりと引っ越したのだが、その理由は、なぜ、よりによってこの時期に? と疑問を持つようなものだった。

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舛添要一元都知事

 警視庁の警備車両が、舛添氏の自宅へ通じるあちこちの道路に配置され、周囲には物々しい雰囲気が漂っている。

 近所の住民が、困惑の表情でこう語る。

「右翼の街宣車が来るようになったのは、都有地を韓国人学校に貸し出すことが3月に報じられてからです。最初は、日曜日だけでしたけど、政治資金の問題が騒がれ出してからは、さらに活発になった。多いときには、10台以上が集まってきました。警察官に止められるので、舛添さんのご自宅の前までは行けないのですが、“なに考えてんだ!コラ”“バカヤロー”“早く死ね”とか、かなりキツイ言葉も飛び交っています」

 舛添氏への街宣活動には、複数の右翼団体が参加している。

 そのうちの一つ、菊守青年同盟の牧野隆志会長代行に聞くと、

「我々としては、舛添の政治資金の私的流用よりも、韓国人学校への都有地貸与を問題視しています。舛添が公用車でどこへ行ったとか、政治資金でなにを食ったとか、あまり重要ではない。世間が騒いでいるのは、あまりにセコくて、その様子が面白いからではないでしょうか。我々は、舛添の政治家としての資質や責任を追及するとともに、一票を投じた都民の問題でもある点を訴えていくつもりです」

■徒歩で5分

 当然のことながら、舛添氏は右翼の街宣活動に過敏に反応した。

 警視庁関係者が明かす。

「都知事(当時)から、一時的に引っ越すという連絡が警護を担当するセクションにあった。そこで、こちらから“警備をより強化しましょうか”と提案したところ、“嫌がらせや抗議が殺到し、右翼団体が自宅まで押しかけてきて、身の危険を感じている。ぜひ、お願いします”と要請されました」

 その結果、SPを増員し、都知事としては最高レベル級の警備体制を敷いたという。

 それだけでなく、舛添氏はすでに引っ越しも済ませているのである。

 別の近所の住民によると、

「6月5日くらいから数日間、引っ越し業者が何人も来て、段ボール箱を運び出していた。事務所として使っている地下と1階だけでなく、自宅の2階と3階からも荷物を運び出していた。最後は、棚や石膏ボードみたいな壁もトラックに積み込んでいました」

 実は、その引っ越し先は、もともとの自宅から、徒歩で5分ほどの距離にある3階建ての一軒家だ。

 ことのほか、用心を重ねているようにみえるのだが、貸主である大家に聞くと、

「自宅をリフォームするから、ということでした」

 と意外なことを明かすのである。

「もともと、そこは貸家にしていて、4月に管理している不動産業者から新しい借り手がいると連絡がありました。家賃の取りっぱぐれがあったりすると困るので、誰かを確認すると舛添さんということだった。むろん身元もしっかりしているし、6月から2年間の一般的な契約を結びました。家賃は30万円? だいたい、それくらいです。要するに、舛添さんの引っ越しは騒動の前から決まっていたわけです」

 右翼を怖れて夜逃げしたわけでも、政治資金を私的に流用した証拠の隠滅を図ったわけでもなかったのだ。

「特集 今や都民1300万人の心が一つに! 白々しい言い訳はもう聞き飽きた! さよなら『舛添要一』都知事」より

週刊新潮 2016年6月23日号掲載

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