2016年のお中元商戦 QRコード式“声の贈り物”も登場

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 関東地方は6月5日、平年に比べ3日早い梅雨入り。夏はもうすぐそこまでやってきている。となれば、百貨店業界にとっては、書き入れ時の一つ、お中元シーズン。5000億円とされる中元市場を巡って、熱い戦いが始まっていた。

 まずは、三越伊勢丹ホールディングス。なんとお中元の品物と一緒に、送り主の“生声”を届ける「声のメッセージギフト」サービスを開始したのだ。

 仕組みは、いたって簡単。三越銀座店のお中元ギフトセンターに置かれた、マイクに向かって10秒間メッセージを吹き込む。音声はサーバーに保管され、代わりにアクセス用のURLが書かれたシール状のQRコードが出てくるので、品物と一緒に発送するというもの。

 お中元を贈られた先では、スマホでQRコードを読み取ると、音声が聞こえてくるというのだ。

 三越伊勢丹の広報担当者によれば、

「お中元を贈る際に、メッセージカードに一言添える方々がおられますが、声のメッセージという新しい贈り物を体験し、さらに楽しんでいただければと始めました。ご利用くださったお客様からは、“面白い”という声や、“遠距離でなかなか会えないから、便利だ”といった声をいただいております」

 高島屋の場合は、お中元カタログに一捻りを加えた。国内外で活躍する新進気鋭のアーティスト・松浦浩之氏が、デザインを担当。表紙には、アキバ系のアニメファンが好みそうな萌えキャラ風少女が描かれている。

 高島屋広報担当者の話。

「上質、本物を引き継ぎながらも、新しいワクワクするようなエンターテインメント性のある商品をイメージしました。同時に、これまであまりお中元とは縁のなかった、若いお客様にも興味を持っていただけるのではないかと考えました」

 国内中間層の百貨店離れが進み、5月の売上高は大手でさえ軒並み前年同月と比べ、3カ月連続で減少。勝機を手にするため、まさに、あの手この手、なのである。

週刊新潮 2016年6月16日号掲載

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