“リーマン前夜”の火消しに躍起な世耕官房副長官…サミット後の自画自賛から一転

国内 政治

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 高揚感は人を饒舌にさせるが、それは政治家にとって諸刃の剣である。

 伊勢志摩サミットで記者向けのスポークスマンを務めた世耕弘成官房副長官(53)。5日、さるラジオ番組に出演した世耕氏は“良いサミット”だったと自画自賛していた。実は、サミット直後も、興奮して、かように嘯(うそぶ)いていたという。官邸関係者が言う。

「周囲に“これで支持率が上がらなければどうやって上げればいいんだろう。ダメだったところ、あったかな。ブリーフで出せるものは全部出したんだから”と、自信に満ち溢れていました」

 さらに、玉木雄一郎衆院議員を中心とする、民進党のサミット関連調査チームについても、

「財務省出身の玉木さんを“官僚のうちにも入らない”と一刀両断。調査チームも“あのチームはなんだ。民進党が嫉妬心に狂っているとしか思えない。サミットは政治だよ”と怒り心頭でした」(自民党関係者)

 口は災いの元とはよく言ったものだが、副長官としてミソをつけてしまったという。政治部記者の話。

「世耕さんはサミットのブリーフで“安倍総理が経済状況をリーマン前に似ていると発言した”と説明。それがリーマン前夜報道に火をつけたのですが、5月31日に、“言葉足らずだった”と突如、釈明したのです」

 なぜこんな事態に――。

「“リーマン前夜発言”に批判が高まり、30日、総理が“そのような発言はしていない”と語った。さらに、民進党の調査チームが、総理発言と世耕氏のブリーフ内容が矛盾している、と外務省の担当者を追及。その結果の“火消し”でした。後ろめたいのか、釈明後の先週末も、記者に弁解していた」(先の官邸関係者)

 言葉は“過ぎても”足をすくわれる。

週刊新潮 2016年6月16日号掲載

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