トヨタがウーバーと業務提携 配車アプリと組む自動車メーカーたち
豊田章男氏
世界のトヨタがベンチャー企業と手を組んだ。トヨタ自動車は5月25日、金融子会社と、出資先のファンドを通じて、「ウーバー・テクノロジーズ」へ出資し、業務提携すると発表した。そもそも“ウーバー”ってどんな会社なの?
ウーバー社は、米国で2009年に設立された配車アプリの最大手。彼らが開発したライドシェア(相乗り)を簡単に説明しておこう。まず、自家用車を所有する人と、配車を希望する人の双方がスマートフォンを通じて“ウーバー”に登録して会員になる。
配車希望の会員が時間を“通知”すると、定刻に自宅まで車が迎えに来てくれる。行き先が決まっているので事前に料金も決まり、タクシーよりも割安なのが魅力だという。自動車専門誌のデスクが言うには、
「会員の“運転手”も時間に余裕のある時だけ送迎すれば良いので、効率の良い小遣い稼ぎになる。目下、ウーバー社は世界58カ国、300以上の都市でサービスを展開。昨年、日本では国交省が“道路運送法に抵触する恐れあり”と待ったをかけたが、5月から“特区”の京都府京丹後市でサービスを開始した。いずれこの動きは全国に拡がるはずです」
“ライドシェア”の動きが進めば、自動車の売り上げが落ち込むのは明白。なぜ、トヨタは“相乗り”を決断したのか。
「ライドシェアの増加は、世界的な趨勢になる。すでに、フォルクスワーゲンやGMなども、商機を見出すために配車アプリの会社と提携しています。トヨタは出資額を明らかにしていませんが、ライバル社の動きに“乗り遅れまい”と提携を急いだのでしょう」(同)
トヨタはウーバー社に車をリースするが、日本は対象外だという。