世界一安全なベン・グリオン空港の警備 「別室に呼ばれ延々7時間…」の質問

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 パリ発カイロ行きのエジプト航空機墜落が各方面で波紋を呼んでいる。昨年11月の同時多発テロを受け、警備体制を強化していたシャルル・ドゴール空港を飛び立ったにもかかわらず、爆弾テロを受けた可能性を指摘されているからだ。

「昨年10月のロシア旅客機墜落もテロ説が濃厚ですし、今年3月のベルギー同時テロでは空港が標的に。そこで44年もの間、死傷者ゼロ、ハイジャックもゼロと言われるイスラエルのベン・グリオン空港に注目が集まっています」(外信部記者)

ベン・グリオン空港

 ベン・グリオン空港はテルアビブ郊外にある同国最大の国際空港。「世界一安全な空港」とも呼ばれ、厳重な警備で知られる。

 軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は言う。

「出入りする車両や人を重装備の警備兵がすべてチェックします。空港内は到るところに警備兵。怪しい人物には徹底的に質問。膨大なマンパワーが必要です」

 渡航歴、目的、滞在先など洗いざらい質されることも。昨年、同空港で足止めされた現代イスラム研究センターの宮田律氏はぼやく。

「イランへの渡航歴があったために別室に呼ばれ、延々7時間。観光客増を目指しているはずなのに……」

 しかもイスラエルはセキュリティ機器で世界の最先端を走る。コンピューターが質問を生成、答える際の人体の反応をチェックする被疑者摘発システムを秘密警察が開発、空港セキュリティに導入しているという。

「鉄壁かもしれませんが、腹がおさまりませんよ」(同)

 真似るのは難しそうだ。

週刊新潮 2016年6月9日号掲載

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