姫井由美子元参院議員が5000万円大損を語る “コンビニ小説”映画化の失敗
当選直後から、不倫騒動を起こしたり、公設秘書給与の詐欺疑惑が指摘されたり、姫井由美子元参院議員(57)は、なにかと話題には事欠かない政治家だった。最近は何をしておいでかというと、司法書士・行政書士業の傍ら、『コンビニ夢物語』という小説を出版し、その映画化に取り組んでいた。だが、その挙げ句、5000万円もの大損を抱えてしまったという。
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せっかく、つくったのに……
映画「コンビニ夢物語」は、兵庫県香美町を舞台に、長渕剛の娘である文音(あやね)や石倉三郎、仁科亜季子らが、酒屋からコンビニ店へと商売替えを図る一家の苦悩と絆を演じている。原作者である姫井氏は、エグゼクティブプロデューサーに就き、資金集めも担当した。
「参院議員時代、コンビニ経営の残酷さを知り、フランチャイズの問題を政治課題の一つにしていました」
と話すのは、当の姫井氏だ。
「『コンビニ改造論』という本も出しましたが、さらにより多くの人たちに実状を分かってもらおうと、今度は、小説というかたちにしたかった。何年も前から出版社にアプローチを重ねてきました。その最中、のちに『コンビニ夢物語』のプロデューサーになる、高橋利雄さんという映像制作会社の社長と知り合い、“今は小説だけでは売れないから、映画ありきの小説にしたら”と勧められたのです」
話はトントン拍子に進み、小説はKADOKAWAからの出版が決まり、映画は昨年6月にクランクインすることになった。
■支援者からも
しかし、問題はここからだった。
姫井氏が続ける。
「小説は、初版の4000部をほぼ買い取りという契約で、本屋の店頭に並んだのはごく一部。自費出版みたいになるとは知らなかったのですが、仕方なく412万円を支払いました。映画も、エグゼクティブプロデューサーなんてなりたくなかったのに、高橋さんから“だったら、映画がつくれない”と言われて……。私に責任を押し付けたかったのだと思います」
結局、映画製作費、広告宣伝費などで、約4600万円をかき集めざるを得なくなったという。そのうち、約600万円は、参院議員時代の支援者などから協賛金や出資を募り、残りは借金もして自身で用立てた。
これだけの大金を投じたすえに、映画は完成。
だが、上映された映画館はいまのところ、「シネ・リーブル池袋」(東京・豊島区)のみ。なおかつ、この3月半ばからの2週間で、観客数はわずか800人弱という無残な結果に終わったのだ。
「最初は、全国十数カ所のイオンシネマで上映できるからということだったので、支援者も資金を出してくれたのです。これでは、なんだか、騙されたような気持ちです。しかも、私自身が映画館に営業しようにも、マスター映像を渡してくれないのです」(同)
疑心暗鬼の塊となっている姫井氏に対し、もう一方の当事者である「コンビニ夢物語」のプロデューサー、高橋氏はなんと言うか。
「姫井さんとは、ボタンの掛け違いが少なからずありました。でも、話が違うとか、騙したとか、そういうことではない。彼女は資金調達を担当し、僕はそれを元手に映画をつくるという役割分担だったわけです。そのなかで、PR会社への支払い分がまだ60万円、残っています。それを支払ってもらえれば、イオンシネマとの話も進めていくことができる。姫井さんには、映画を1人でつくったのではなく、みんなの協力があってのことだと理解して欲しいものです」
姫井氏にとっては、映画製作も夢物語だったのだ。
「ワイド特集 言ってはいけない」より
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