北朝鮮の富裕層 米紙が報じた“ピョンハッタン”の生活とは

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 36年ぶりに開催された北朝鮮の労働党大会。その取材で現地を訪れた米ワシントン・ポスト紙が〈北朝鮮の1%族が送る芳しき“ピョンハッタン”生活〉と題した記事を掲載、平壌の新興富裕層の生活ぶりに驚いている。“ピョンハッタン”とはもちろん、平壌とマンハッタンを合わせた造語だ。

 平均月収10ドル以下の北朝鮮で〈1杯9ドルのアイス・モカ・コーヒーを嗜み〉〈ZaraやH&Mなどのブランドを好む〉、メニューに〈ベイクド・ポテト付きプライムステーキ48ドル〉とある店に行くと記し、〈天文学的な値段〉で輸入食材を売るスーパーの様子を描写、高層マンションが立ち並ぶ平壌は建設ブームに沸いている、とする。

「デイリーNKジャパン」編集長の高英起氏は言う。

「金正恩体制になってから台頭してきた“金主(ドンジュ)”と呼ばれる新興富裕層は確かに“1%族”“億万長者”と言ってよいでしょう。彼らは政府が公認していない市場でビジネスを急成長させ、消費を牽引しています」

 Wポスト紙も〈私が話した何人もの北朝鮮資本家が「こんなにいい時代はない」と言っている〉と北朝鮮研究家の声を紹介。

「ですが平壌の高層マンションは低層階しか売れない。なぜだかわかりますか?」

 と高氏。

「電力不足が深刻な平壌で、エレベーターが動かないことなどしばしば。高いお金を払って20階分の階段を上りたくはないでしょう?」

 天にも昇る気持ち、にはなれなさそうだ。

週刊新潮 2016年6月2日号掲載

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