大戸屋でお家騒動勃発 役員人事をめぐって、創業者一家VS外様

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しばらくは目が離せない!

 またしても“お家騒動”である。記憶に新しいのは、高級家具店に巨大流通グループと言ったところだが、今度は街の定食屋。1958年に東京・池袋で創業し、今や全国に342店だけでなく、海外にも大戸屋を展開する大戸屋ホールディングスの創業一族が、株主総会を前に、経営陣に噛み付いたのだ。

 全国紙経済部記者の話。

「5月18日、大戸屋ホールディングスが、6月の株主総会に諮る新役員体制案を発表しました。すると、翌日、東京証券取引所御中と書かれた一枚の声明文が届いたのです」

 A4用紙にワープロで書かれ、タイトルは、「議決権行使等に関する基本的な考え方のお知らせ」というもの。そして、発表した役員案について、次のように綴られていた。

《全部もしくは一部につきまして、(略)定時株主総会において「否認」をさせていただきますこと、あらかじめ、お知らせいたします。筆頭株主三森三枝子 主要株主三森智仁》

 送り主である2人は、昨年7月に肺がんで亡くなった2代目、三森久実元会長の未亡人と長男にあたる。

 現在27歳の智仁氏は、昨年、元会長が亡くなる直前に常務取締役となったが、11月には組織体制の変更により、ヒラ取に。今年2月に一身上の都合を理由に辞任している。タイミングからすると、このことが影響したかと思われるが……。

 ともかく、“ちゃぶ台返し”を予告した2人が、元会長から相続した株の保有割合は、合わせて約19%に及ぶ。会社としてはとてもじゃないが、穏やかでいられるはずもなく、

「報道は知っていますが、こちらにはまだ、株主からの意見表明が直接ありませんので、コメントしようがない」(大戸屋広報担当)

 と困惑を隠せない。もっとも、前出の記者によれば、

「智仁氏は一部のメディアに、役員案のうち、社外取締役3人を全員入れ替えることと、以前、取締役だった3人を再び取締役に戻すことなどがおかしいと答えています。一方で、社長の再任については異議を唱えていません。窪田健一社長は亡くなった元会長の従弟にあたるため、創業家一族VS外様の様相を呈しているのです」

 決戦は6月23日!

週刊新潮 2016年6月2日号掲載

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