最長5時間待ちもあった若冲展 いくら儲かった?

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 それにしてもここまで人気が広がるとは! 開催期間中の入場者数は、約1カ月という短期間で、なんと40万人超。上野の東京都美術館で5月24日まで公開されていた生誕300年記念「若冲展」だ。

最終日はこんな行列

 江戸時代中期に京都で活躍した伊藤若冲の「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅が一挙に公開されたことや、開催期間が短いのも手伝ってか、人出は集中。美術館の周りは入場待ちの行列が取り囲み、2時間3時間は当たり前、最長5時間20分待ちもあったというから、

「熱中症対策のために、テント設営や給水所を設けたほか、日傘の貸し出しなどを行いました」(広報事務局)

 余計なお世話だが、大人当日1600円の40万人として算盤を弾くと、実入りは6億4000万円也。65歳以上は無料の日があるので一概には言えないが、主催者の頬は、さぞ緩んだに違いない。

 さらにこの人気が思わぬところまで飛び火していた。

 若冲展会場に近い国立西洋美術館で、6月12日まで開催されている、イタリアが誇る画家「カラヴァッジョ展」である。本邦初5作品のほか、世界初公開の「法悦のマグダラのマリア」といった目玉作品まで用意されたのだが、西洋美術館のスタッフによれば、

「3月4月は想像していたほど入りませんでした。若冲展が始まった頃から増え始めたのです。連休明けからは当初の1・5倍以上。最近では3年前のラファエロ展に次ぐ勢いです。行列で入れないから、こちらに来たという方もいました。若冲のお陰とも言えますね」

 西洋美術館が世界遺産登録の見通しとなり、さらに弾みがついたようだ。

週刊新潮 2016年6月2日号掲載

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