自民党・茂木選対委員長の器の小ささ…乙武不出馬を報じた記者に延々と文句も

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 7月に実施予定の参議院選挙まで約2カ月。焦点の一つは自民党が単独で過半数の議席を獲得するかどうかだが、その選挙戦を取り仕切る司令塔役の茂木敏充選挙対策委員長(60)の評判がなんとも情けない。番記者たちが「器がちっちゃい」と口を揃えるのである。

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「茂木さんは当選8回、大臣経験も3回経ている大ベテラン。にもかかわらず、やることなすことが、ことごとく大人気ないんです」

 と、肩を竦めて言うのはさる政治部記者。

「自民党は去年11月から、茂木さんの肝煎りで公募した参院選の公認候補を広く一般からの投票で選ぶプロジェクト『オープンエントリー2016』を行ってきました。最終選考に残った12人の中から、インターネットやハガキによる投票で最も得票が多かった人を選ぶという初めての試みで、茂木さんは安倍政権の支持率が40%を超えていることに自信を深めて総得票数は10万票を見込んでいました。ところが実際には遠く及ばず、締め切りの5月9日までに集まったのは僅か2万7952票。公認候補は無事に決まりましたが、完全に企画倒れでした」

 とはいえ、番記者たちはこの失敗で茂木氏の器を小さいと評しているわけではない。いつまでも選挙結果を公表しようとしない、無責任さに呆れているのだ。

「各候補者の得票数を公表しないのは、茂木さんの意向です。1位がたった数千票では格好悪い上に、周囲から“失敗だった”と批判されるのを恐れている。仮にも政党が主催した“選挙”ですから、結果を公開するのは当然のこと。それをただ、自己保身のために拒んでいるのですから……」(同)

 まったく姑息な振る舞いだというのである。

■ケチな要求

 政治記者にとって、選対委員長は重要な取材先の一つだ。それをいいことに、茂木氏はこれまで何度となく、記者の足元を見て無理難題を押しつけて来た。政治部デスクが呆れて言う。

「昨年の10月、茂木さんが第2次安倍政権の組閣に伴う党内人事で選対委員長に再任された時のことです。彼は各社の記者を呼び出して“俺を紹介する記事に『短気』という言葉は使うな。あれは派閥で敵対していた鈴木宗男が悪口を言うために言いふらした人物評だ”と注文を付けたのです」

 その後の取材活動を“人質”に取られた格好の各社は、やむなくその要望を受け入れて、後の記事で茂木氏の気性について触れることはなかった。が、その後も茂木氏のケチな要求は繰り返された。

「2月に歌手の今井絵理子が参院選出馬の記者会見を開いた際、茂木さんは時事通信に“沖縄のメディアが面倒なことを質問できないように、時間一杯質問し続けてくれ”と求めたのです。ところが時事はその要求を受け入れなかった。すると数日後、茂木さんは担当記者を呼び出し、“何でもっと質問しなかったんだ”と叱りつけた。しかも、時事はそれから2カ月以上も取材拒否を言い渡されたんです」(同)

 槍玉に挙げられたのは民放の政治記者も同様だ。

「3月に週刊新潮が乙武洋匡の不倫問題を報じた後、フジテレビが彼の参院選不出馬をいち早くニュースにしたんです。すると茂木さんは担当記者を呼び出して、延々と文句を言い続けていました」(先の政治部記者)

 身勝手な要求を押し付けておいて、それが受け入れられないと八つ当たり。そこで当の茂木氏に番記者から評判が悪いという点について尋ねたが、回答は寄せられなかった。

 番記者との溝は埋まるのか。

「ワイド特集 酸っぱい経験」より

週刊新潮 2016年6月2日号掲載

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