デビュー30周年の武豊 米三大クラシックへの挑戦

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 この5月29日に行われた日本ダービー。これまで5度の勝ち鞍を誇る“ダービー男”武豊(47)も、もちろん騎乗した。

 レース前の下馬評では、

「武が乗るエアスピネルは実力馬ですが、その上をいくディーマジェスティやマカヒキは史上最高と謳われるほどハイレベルで、エアスピネルは4、5番人気に落ち着くでしょう」

 そんな競馬担当記者の読み通り、結果は4着に終わった。が、実はこのシーズン、武がなにより夢中になっているのは、米クラシックレースへの挑戦である。

 競馬ジャーナリストの片山良三氏が解説する。

「武は今年3月、ドバイで行われたUAEダービーで、日本馬・ラニに騎乗して見事優勝しました。その後ラニは馬主の意向で、米クラシックレースに挑戦することに。武もそれに合わせ、5月1日に天皇賞に勝ち、5日に船橋の重賞を制した後アメリカに飛び、7日に米三大クラシックの最高峰とされる、ケンタッキーダービーを戦ったのです」

 結果は9着と振るわなかったが、ラニの体調はすこぶる良かった。

「そこで同じく三大クラシックのひとつである、プリークネスステークスへの出走が急遽決まりました。このレースに日本馬が出るのは史上初のこと。武は一旦帰国し、国内レースをこなした後、再び渡米。21日のレースでは、5着と大健闘です」(同)

 まさに世界を股にかけた活躍ぶりだが、驚くのはまだはやい。武はさらにフランスに飛び、24日のG1レース、イスパーン賞で日本馬エイシンヒカリに騎乗。そこから舞い戻って日本ダービーに挑んだ、というわけである。

 そしてみたびアメリカへ。

「6月11日、武はラニに騎乗して三つ目のクラシック、ベルモントステークスに出走予定です」(同)

 折しも武は今年が騎手デビュー30周年。記念すべき年に、新たな偉業を刻むことができるか。

週刊新潮 2016年6月2日号掲載

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