女子大生買春の佐田玄一郎議員 「励ます会」開催も出席者は大幅減
権謀術数の世界だけに、国会議員が優先するのは「友情」より「打算」だという。“常在戦場”を旨とする彼らは次期選挙の準備に余念がないが、3年前に本誌(「週刊新潮」)が「女子大生買春」を報じた自民党の佐田玄一郎代議士(63)もその1人。5月12日に政治資金パーティーを開催したものの、派閥や党の幹部など大物議員の出席は皆無であった。
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自民党の佐田玄一郎代議士
「ちょっとゴタゴタしているが、こんな理不尽なことに絶対負けないし、1区支部長として、全力でこれからも頑張っていく」
佐田氏が拳を握りしめて、次期総選挙への出馬を熱い口調で宣言したのは、議員会館からほど近い憲政記念館。「佐田玄一郎君を励ます会」でのことだった。
政治部記者が解説する。
「政治資金パーティーといえば、派閥のボスをはじめ、幹事長や政務調査会長、総務会長、そして選挙対策委員長といった党の幹部が顔を見せるのが通例です。それぞれが挨拶に立って主催議員を叱咤激励、時には笑いを取りながら会場を盛り上げるのですが、この日はそうした大物議員が全員欠席。以前と比べて、ずいぶん寂しい印象でしたね」
佐田氏は当選9回の大ベテランで、衆参合わせて51人の議員を擁する額賀派(平成研究会)では副会長の要職にある。が、
「実はこの前日、党群馬県連の選挙対策部が、次期総選挙での群馬1区の公認候補を佐田さんではなく、すでに比例で当選している尾身朝子さんに決めたのです。つまり、佐田さんは地元から“支援しない”と三行半を突き付けられたわけです。それで本来なら出席すべき立場の額賀福志郎会長や船田元(はじめ)副会長、さらには親父の代から親しいはずの小渕優子さんでさえ、出席を見合わせたのでしょう」(同)
やはり、佐田氏が“ちょっとゴタゴタ”と片付けた「女子大生買春」の過去が尾を引いているのか。
■貸し借りの世界
翌日、佐田氏の地元・群馬の「上毛新聞」は会の出席者を約350人と報じた。
「どうやらこれは、佐田事務所が明らかにした数字のようです。渡嘉敷奈緒美さんは会場に入って来るなり“あら、少ないわねえ”なんて声に出していたほどで、実際の出席者は多くても120~130人ぐらいだったと思いますよ」(同)
そこで、額賀派の議員にパーティーへの出欠とその理由を尋ねると、
「顔は出したけど、すぐに帰って来ました。とくに親しいわけでもないし、こういうのは貸し借りの世界だから」(衆院ベテラン議員)
「うちは昔からパー券だけの付き合いだから、今回も秘書が持って行った。佐田さんとの人間関係? う~ん、とくにそういうのはないね」(参院中堅議員)
複数の議員が、持ちつ持たれつの関係であることを認める一方、佐田氏との友情は揃って否定。つまり、「男女間の友情は存在するか?」との問いより遥かに単純で、議員の間にはとことんドライな「打算」しかないのである。政治評論家の屋山太郎氏は呆れて言う。
「大物が誰も来なかったのは、ハナから友情も何もなく、単に派閥からも党からも完全に愛想を尽かされたということ。そもそも非公認候補の資金パーティーなんて、他の議員には時間と金のムダでしかないよ」
これでは“お別れパーティー”にもならなかった。
「ワイド特集 五月晴れの五月病」より
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