「死刑囚の告白」殺人 所轄署長が怠慢を認めた 「連絡したけど繋がらなかった」?!

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目白署長、警視総監の答えは…

 この問題を巡り、なぜ捜査をネグレクトしていたのか、組対四課長に見解を糺した。しかし残念ながら、回答は得られなかった。では目白署長はどう答えるか。

「新潮さんの記事が出るまで、動いていなかったと見られても仕方ないけど、全く何もしていなかったわけではありません。東北にいる斎藤衛さんのお姉さんのところにも捜査員は足を運んでいますからね。ただ、その他の関係者となかなか接触できなかった。亡くなっている方も多くて……。しかも灯台下暗しといいますか、一番肝心な結城に連絡が取れなかったんです」

 結城氏は、警視庁から連絡がくれば、協力するつもりでいたが、本誌の一報が出るまで、ただの一度も電話はかかってこなかったと断言している。この点を質すと、慌てた様子で、

「いやいや、連絡したけど繋がらなかったんです。それで1年間、捜査が前に進まなかった。こちらの調査不足、捜査の怠慢があったのかもしれません。もっと何回も電話しとけば良かった。どこかに行って、居なくなっちゃったかと思っていたんですよ。それが新潮さんの記事で、“あっ、やっぱり結城は居たんだ”と思った。存在が分かったので、連絡を取ったら、今度は繋がって、捜査が急展開していったわけです」(同)

 語るに落ちるとはこのことだ。ちなみに4万3000人超もの警察官を擁する警視庁のトップ、高橋清孝・警視総監も本件を知ったのは、本誌の記事が発行された後だったという。警視庁幹部が明かす。

「新潮の記事を受け、高橋総監は組対四課長に、“市民から、捜査を放棄していたと思われるのが一番まずい。本腰を入れて迅速に捜査を進めてほしい”と檄を飛ばしたそうです」

 その高橋総監にも取材を試みたところ、

「捜査に関する事は、回答を控えさせていただきます」

 と言うのみだった。

週刊新潮 2016年5月5・12日ゴールデンウイーク特大号掲載

「特集 これで捜査機関? これで権力の監視役?『死刑囚の告白』を放置して自己批判しない『警視庁』と批判しない『大新聞』」より

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