強風の影響で9人が“密入国”の扱いに・・・成田空港の混乱

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 週末の関東地方を襲った強風は、かなりの被害をもたらしていた。人的被害はないものの、工事現場に組まれた足場が崩れ落ち、あわや大惨事といった事態が数件。だが、それだけではなかった――。

 問題が起きたのは、今月17日。格安航空会社(LCC)バニラ・エアの台北発104便が、成田空港に到着したことに始まる。

 社会部記者が解説する。

「国際線の乗客は到着後、入国審査と税関を通らなくてはなりません。ところが、この航空機の乗客159人は、飛行機を降りた後、国内線用の到着口に連れて行かれてしまったのです」

 乗客は到着ゲートを出て、散り散りに。国内線到着口なので、入国審査もなければ、税関もない。気付いた乗客がカウンターに申し出たことで発覚したが、すでに邦人41人、外国人9人が空港を後にしてしまった。

 なぜ、到着口を間違えることになったのか。そこに、強風の影響が深く関わっていたのである。

 問題を起こしたバニラ・エアの話。

「台北を出た104便は、強風のため、いったん中部空港に着陸して給油をし、成田に午後9時45分ごろ到着しました。その後、乗客をバス3台で到着口まで案内したのですが、中部空港から来たため、委託先の送迎バスは国内線と思い込んでしまったようです」

 翌朝までに7人が戻って手続きを済ませたが、まだ連絡の付かない乗客が多数いる。こと外国人にいたっては、不法入国になりかねないのではないか。

 東京入国管理局の話。

「今回の外国人の方たちは形式上不法上陸となりますが、本人たちには何ら責がないので、法的にどうこうということはありません。日本人についても、仮に次の出国の際に、照会すれば判明することですし、罰則はありません。とはいえ速やかに手続きを済ませるよう、航空会社を通じて連絡をしているところです」

 トンだ春の嵐。今回のような事態は、バニラ・エアだけでなく、業界自体でも初めての出来事だという。

週刊新潮 2016年4月28日号掲載

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