覚醒剤で転落したNHKうたのおにいさん

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 球界の元スターが、爽やかなスポーツとかけ離れた強面ファッションなら、こちらも、幼児向け番組には似つかわしくない茶髪のロン毛――。またしても芸能界と覚醒剤である。

 今月13日、警視庁に逮捕されたのは、NHKの教育番組『おかあさんといっしょ』で「うたのおにいさん」だった杉田あきひろ(50)。都内で覚醒剤を所持していたとして現行犯で逮捕された。本人は「間違いありません」と認めているという。

 福井県小浜市出身の杉田は、慶応大学文学部を卒業。在学中からミュージカルに出演し、1999年から4年間、9代目の「おにいさん」を務めていた。

 芸能記者が言う。

「だんご3兄弟の速水けんたろうや、体操のおにいさんの佐藤弘道らとは違って、彼は茶髪にロン毛で、これまでのおにいさんイメージとは違っていました」

 その違いは、果たして髪型によるものだったのか。2000年には、サンデー毎日が、杉田の覚醒剤疑惑を報じたことがある。杉田は記者会見で「身に覚えはない」と疑惑を否定。毎日新聞社などを相手に1200万円の損害賠償訴訟を起こしたのだが、司法関係者によれば、

「一審で和解しています。しかも毎日新聞社からは、一切、金銭的なものは支払われていない」

 となると、この時点で薬物に手を染めていた可能性も十分に考えられるのだ。

 だが、疑惑報道の後も出演を続けた杉田は、卒業後も元「おにいさん」の圧倒的な知名度を生かして、ミュージカルやイベントに出演。近頃は、都内のシャンソン・バーにも出演していた。その店主が言う。

「2年ぐらい前から、時折、出演してカンツォーネなどを歌うんです。ミュージカルの影響か、身振り手振りが大きかった。元気が良くて、真面目そうに見えたのに、もったいないね」

 もはや駄目なオッサン。二度とおにいさんには戻れまい。

週刊新潮 2016年4月28日号掲載

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