流行の黒幕は「パリピ」だった セルカ棒、リムジンパーティー、インスタグラム
前回、ハロウィンが国民的行事になったのには、パリピ(パーティーピープル)と呼ばれる若者たちの存在があったことを明かした。
それ以外にはどのようなものがあるのか。
パリピの生態を解明した初めての本『パリピ経済』をもとに紹介してみよう。著者の原田曜平氏は、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーとして、実際のパリピへの聞き取り調査なども行ったうえで、同書を執筆している。
■パリピが流行らせたもの
(1)自撮り棒(セルカ棒)
自撮り棒(セルカ棒)
「2011年頃から韓国で流行りはじめ、東アジアや東南アジアを経由したあと、日本では韓国好きのパリピの若者たちが2012~13年頃から注目、一般的には2014年の夏頃にブレイクしました」
(2)リムジンパーティー
「数人で1台のリムジンを数時間貸し切り、都内を周遊しながら車内で飲酒を絡めたパーティーをする遊び。誕生日会、女子会などに利用され、参加者はドレスコードを作ってセレブ気分を味わいます」
(3)ラン系イベント
「湾岸地区などの開放的なオープンスペースに特設コースを作り、多数の参加者がお祭り気分で走るイベントです。ただし、タイムを競うわけではありません。設定されたテーマにしたがって何かをしながら、一体感と高揚感を求めてわいわい走る(実際にはほぼ「歩く」)のです」
同書によれば、他にもインスタグラム、「ULTRA(ダンスミュージックの野外フェス)」「オクトーバーフェスト(世界のビールを味わうイベント)」等の流行にも、パリピの力が働いたとみられるという。
こうしたイベントやトレンドについては、テレビの情報番組などでご覧になった方も多い事だろう。もっとも、そのように電波に乗った時点でパリピの間では「もう新しいものではない」という認識になってしまうそうで、ハロウィンに関しては「今、渋谷でハロウィンをやっているのは一般人。4、5年前にハロウィンにはまった子は、もう渋谷に行かず、友人と家でのんびりコスプレしている」といった声が聞かれたという。
「感度の高さ」と「情報の拡散力」を持つ「パリピ」の動向を知ることが、これからの若者消費を考える上では必須だ、と原田氏は述べている。
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