麻生副総理長男の結婚相手は北九州で医師の娘 元航空会社勤務の29歳
同じく”名門”の鳩山邦夫元総務相は
以上が「物語」の顛末である。世に冠たる名門だというのに、重厚さや政略とはまるで無縁。むしろ拍子抜けするほど“今風”のゴールインではなかろうか。
こうした点について、『麻生太吉日記』(九州大学出版会)の編纂委員を務める三輪宗弘・九大附属図書館付設記録資料館教授は、
「錚々たる家柄のお相手と結婚されてきた麻生家の歴史を踏まえれば、今回は意外な気がします」
としながらも、
「名家同士の結婚となれば、実際には弊害もある。互いに大きなものを背負いながら一緒になるためで、窮屈な上、何か起きれば夫婦間にとどまらず、家同士のトラブルになりかねません」
そもそも、家柄に拘泥すれば選択は狭まるわけで、
「麻生家のような名門でも維持していくのは大変です。過去に、エネルギー革命が起きて炭鉱閉鎖を余儀なくされたり、会社が倒産しかけたことも何度かあった。それを乗り越えていくのはやはり内助の功。家柄に囚われず良い相手を選ぶ大切さを、ご一家はよく認識していたのだと思います」
当の将豊氏に尋ねると、会社を通じて、
「プライベートな事案なので、ご容赦いただきたいと思います」
代わって、同じく日本のエスタブリッシュメントの一角をなし、かつて総裁選で麻生陣営の選対本部長を務めたこともある鳩山邦夫元総務相が言う。
「結婚は家同士がするものではない。私はずっとそう思ってきました。かつて私自身が恋愛結婚をする時、父(威一郎元外相)が田中角栄先生に『息子の相手はハーフで芸能人なのですが、どんなものでしょうか』と尋ねたところ、ロマンチストの角栄先生は『恋愛結婚は非常によいことだから、応援すべきだ』と言ってくださった。将豊さんにも同じように歩んでほしい。いかに麻生家といえど“個人の時代”ということですよ」
ともあれ、名門に新たな家風が吹き込まれたわけである。
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