受験地獄「中国」に出稼ぎに“ビリギャル”「有村架純」

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 あちらでのタイトルは「墊底辣妹」――意味合いとしては“どん底娘”で、つまりは「ビリギャル」だ。

 茶髪に化粧、朝帰りは常習の高2のダメ娘が学習塾に通い出し、晴れて慶應大に合格、という実話を元にした映画版。ちょうど1年前のゴールデンウィークに公開され、有村架純(23)の主演で、興行収入は28億円を超え、昨年の邦画実写では第3位、女優主演映画ではトップというヒット作。

主演した有村架純

 これが4月14日から中国本土で公開されたのである。

「上映5日目で興収は2270・8万元(およそ3・8億円)。北京や上海で封切られた後、順次2万~3万のスクリーンで1カ月に亘り公開される予定です」

 とはTBS。同社は製作委員会に加わっていることはもちろん、土井裕泰監督はTBS社員なのである。

 ちなみに日本全国の総スクリーン数は、3437。いかに中国がデカいかわかろうというもの。

「いまや日本を抜いて、世界第2の映画市場と言われる中国ですからね。中国人が観るか観ないかで、興収は大きく変わる。ハリウッドですら、かの国になびいて、中国人俳優の起用や中国ロケを増やしています。その反動で、日本に来たがる米国人俳優が減っているとも……」(映画関係者)

 日本映画界がここまで中国を意識せずに済んだのは公開されなかったからだ。アニメ作品はともかく、実写の日本映画が公開されるのは実に5年ぶり。どのようにまとまったかといえば、

「『ビリギャル』を観た中国の配給会社が興味を持ったことから始まりました。日本の大学入試センター試験にあたる、全国統一試験が6月に行われる中国では、日本以上に厳しい受験戦争が展開されています。配給会社は、こうした社会背景のある中国で、『ビリギャル』が学生のみならず、受験生を持つ親や家族などあらゆる世代への大きな訴求力を持つ作品と考えたということです」(TBS)

 科挙に始まる、中国の受験戦争をなめんなよ! とも言われかねない。

週刊新潮 2016年4月28日号掲載

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