学生のコンペレベル 東京五輪エンブレム候補作はここがダメ

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 オリンピックの精神に倣えば、エンブレム問題も“参加することに意義がある”ということなのか――。

 アートディレクター・佐野研二郎氏(43)の盗作疑惑による白紙撤回から7カ月。装いも新たに4作の最終候補が公表された。

4作の最終候補

「前回選考の応募基準は国際的な広告賞を2回以上受賞した者に限っており、104件のみの応募でした。今回は一般公募し、1万4599件が集まっています」(都政担当記者)

 さらには、候補作についてホームページなどで国民の意見を受け付け、“国民参加型”の選考となった。五輪組織委員会も、

「できるだけ多くの皆さんに参画いただきたいと考えています」

 と胸を張る。しかし、

「正直、学生のコンペティションレベルですよ」

 と嘆息するのは、前回の選考に応募したデザイナー。

「A案は藍色単色の理由がよくわからず、地味。B案は真ん中が白で抜けてしまってインパクトがない」

 別のデザイン関係者は、

「C案の風神雷神は“神様”を扱っている点で偶像崇拝を禁止する国から敬遠される可能性がある。D案のアサガオに至っては夕方に萎む花をモチーフとしている。日本らしさという点が逆に弱さを感じさせます。審査委員にデザインの専門家が少なく、批判されないことを優先している。エンブレムというより手作りのマークのよう」

 と容赦がない。

 スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏も、

「どれも東京のイメージが感じられません。開催都市の特色をデザインするのがエンブレムのはず。国体のマークと言われても分からないのではないですか」

 と一刀両断だ。先のデザイナーが続ける。

「結局、組織委員会に五輪についてのコンセプトやストーリーがないので、造形探しをしているだけ。内容が決まっていない本の表紙を作っているようなものですよ」

 頁を捲(めく)りたくなる“五輪の顔”が求められている。

週刊新潮 2016年4月21日号掲載

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