63歳の夏木マリが語る“お悩み相談ライブハウスツアー”

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 歌手で俳優の夏木マリが、昨年に引き続き、全国のライブハウスを回るツアーをスタートする。4月15日の渋谷を皮切りに北海道から沖縄までの11カ所。

 歌手としての“マリ姐さん”は、1973年のヒット曲「絹の靴下」の、小指から華麗に指を折ってゆくフィンガーアクションが忘れられない方も多いのでは。

夏木マリさん

 エッセイストの井狩春男氏もその1人だ。

「まさしく、そう。あの指の誘惑度は並の女性に出せるものではありません」

 だがしかし――、

「ありがとう。でも今回のツアーでは“絹”はやらないの。新曲が揃ってるから」

 とはリハーサル真っ最中のマリ姐さんである。

 4月13日にはミニアルバム「朝はりんごを食べなさい」が発売されたのだ。

ミニアルバム「朝はりんごを食べなさい」

「去年のツアーでは、質問コーナーを設けたのよ、ホワイトボードを脇に置いて。入社したばかりで仲間ができないとか、どうしたら若さを保てるかとか、“クランケ”の相談にドクター・マリが答えたの。そのやりとりを歌にしたらどうかと思って詞を書いたら、アルバムが出来ちゃった」

 作曲には、ゆずの岩沢厚治、電気グルーヴの石野卓球、斉藤和義、そして忌野清志郎の名が連なる。今年はこのアルバムを引っ提げてのツアーとなる。

「映画やテレビの映像は基本的に頂くお仕事でしょう。でも音楽は、自分自身が発信する、特にライブは私自身が出るって今頃になってわかった。60歳(ロクマル)になると、生まれ変わるって言うじゃない。その時に、自分にやり切れてないものは何かと考えて、歌だと思ったのよ、遅まきながら」

夏木マリさん


 前出の井狩氏は、

「“絹”は聞けなくても、生の彼女をライブハウスで間近に観られるのはいい」

 しかしマリ姐さんは、

「若いファンを獲得したいのよ。今は新人2年目の気持ちなんだから。去年も客席は全員スタンディングのライブにしたかったんだけど、同世代のファンのことも考えろって言われてね」

 マリ姐さん、現在“ロクサン”である。

週刊新潮 2016年4月21日号掲載

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