女性活躍推進法に先手か あの「すき家」兄弟に女社長誕生

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 ブラック企業と揶揄された牛丼チェーン最大手の「すき家」。その“兄弟会社”のイタリアンレストランチェーン「ジョリーパスタ」が3月14日、村田國樹(くにき)社長(63)の代表権を“剥奪”して取締役へ“降格”させ、池田安希子(あきこ)執行役員(55)の社長就任を発表した。外食業界では、この非情な人事に様々な憶測が飛び交っている。

 1971年創業で東証2部上場の「ジョリーパスタ」は9年前、「すき家」の親会社・ゼンショーホールディングス(HD)の傘下に入り、目下、中国地方を中心に225店舗を展開している。今年度決算は、売上高174億4900万円の前年度比8・0%増で、純利益は4億7300万円の16・3%減と予想。総売上5118億円のゼンショーHD内で稼ぎ頭とは言えないが、売上高が鈍化している外食業界では“健闘”している存在だという。

「“池田、Who”という印象が強いですね」

 社長交代劇にこう首を傾げるのは、経済誌の外食産業担当記者だ。

「今年2月までイトーヨーカ堂の執行役員だった池田さんは、社長含みで“ヘッドハンティング”されましたが、外食産業は未経験で畑違いと言わざるをえない。一方、“更迭”される村田さんは、この道一筋の“ヤリ手”。ジョリーパスタでも、結果を残しただけに社内外から同情の声が少なからず上がっています」

 神戸大教育学部卒の池田氏は大丸に入社し、イトーヨーカ堂への転職後も衣料畑を歩んできた。ライバル社の幹部の見立てでは、

「安倍政権“肝煎り”の女性活躍推進法が、4月1日に施行されます。そこで先手を打って“女性社長誕生”を発表し、少しでも企業イメージを回復させる狙いでしょう」

 ゼンショーHD広報室に話を聞くと、

「女性を社長に就任させただけで企業イメージが変わるほど、世間は甘くありません。あくまでも池田のマネジメント能力を評価した結果。村田は、別会社のトップに就任する予定です」

 ホワイト企業へ生まれ変わるための、一里塚?

週刊新潮 2016年3月31日号掲載

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