「私たちより、病院取んのね!」看護師たちの苦渋の決断〈原発25キロの病院に籠城した「女性看護師」の7日間(1)〉
東日本大震災から5年。死者・行方不明者1万8000名の悲劇は記憶になお鮮烈だが、一方、自らの身を捨て他者を救った数多の「物語」も生まれていた。原発25キロの病院の苦悩と再生の1週間を、福島出身のノンフィクション・ライター、黒川祥子さんがレポートする。
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「部長、なんでそんなに冷静でいられるんですか?」
「逆に聞くけど、なんで、そんなに騒ぐわけ? 屋内退避なんだから、ここにいればいいんじゃないの? この病院、私たちがやらないで、誰がやるの?」
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