「民維合流」の先にはヤッカイな「小沢一郎」問題

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 肩で風を切っていたのも今は昔、その身に染みついた「壊し屋」の臭いに鼻をつまむ者は少なくない。

 生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表の処遇は、3月14日に党名が「民進党」に決まった「民維合流」に横たわる、ヤッカイな問題だ。

一匹狼?

 民主党関係者によれば、

「かねて小沢さんを慕っている維新の松野頼久代表は“好き嫌いを言っている場合ではない”と、彼の合流を歓迎しています。国対委員長に据えるという奇策まで、冗談半分で周囲に話していますが、肝心の民主が動かない。小沢さんを引き入れることに断固として反対している野田佳彦前総理の意向を汲み、岡田克也代表が突っぱねている。この“小沢問題”は、結党大会後に持ち越されそうですよ」

 野田前総理にとって小沢代表は、集団離党で党を壊した裏切り者。その恨みは簡単に晴れそうにないが、生活の党関係者は憤る。

「小沢さん抜きなら良いというのであれば、その条件を提示すればいいのに、未だに岡田さんからは具体的な話がないそうです。今年は参院選のみならず、解散総選挙もあるかもしれないのに、感情論で物事を矮小化している民主の対応に、小沢さんは苛立っている」

 というのも、すでに小沢代表は“ある覚悟”を決めているというのだ。

「実は一昨年の総選挙に先立ち、小沢さんは岡田さんと何度も会談し、生活の党の自分以外の議員を民主党に受け入れて貰うことで、話をつけていたんです」

 と、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は言う。

「当時は結局、小沢さんに最後までついていくと言う議員がいたため、党を存続させましたが、本来は党を畳んで独り、無所属になるつもりでいた。今後は岡田さんが野田さんの説得に当たるのでしょうけれど、少なくとも自分以外の議員さえ合流できればいいというのが、小沢さんの胸の内」

 その「美談」をおいそれとは信じてもらえないのが、「壊し屋」のヤッカイなところである。

週刊新潮 2016年3月24日号掲載

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