まもなく帰って来る「清原和博」を待つのは娑婆の煉獄

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 白い粉の力で、自ら世間に「解雇通知」を送ってしまった清原和博(48)。初公判は5月17日に決まった。が、娑婆では留置生活など吹き飛びそうな「煉獄」が待ち受けているのだ。

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直ちに入院すべし

 清原が覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕されたのは2月2日。同月23日には使用容疑で再逮捕され、勾留期限を迎える今月15日、使用の罪で追起訴された。

 一般的に薬物事件では、ことのほか保釈条件が厳しいとされる。逃亡や証拠隠滅のおそれがなく居住地も定まり、かつ身元の確かな引受人が必要であるのは言うまでもない。

 加えて数百万にのぼる保釈金も用意せねばならず、その“出資者”をめぐって諸説入り乱れる中、さる捜査関係者が明かすには、

「売買の流れを洗うため、捜査段階から金融機関に『捜査関係事項照会書』を提出して清原の預金口座を調べていました。当面の貯金が十分あるのは確認済みです。つまり、保釈金程度は捻出できるのです」

 肝心の引受人については、

「本来ならば親族が最適なのですが、清原は弟や妹とは長らく断絶している。また母親が介護施設におり、唯一関係の悪くない父親も引き受けづらい。現在、保秘が徹底された複数の大手事務所の弁護士がサポートにあたっており、彼らの主導で適切な選定が進められていくと思われます」(清原の動向に詳しい事情通)

■「寂しいんです」

 が、念願叶って娑婆に出たところで、試練は増すばかり。元近畿厚生局麻薬取締部長の西山孟夫氏が言う。

「申請する側も、例えば裁判までの期間は薬物依存専門の病院に入院させるなど、万全の態勢を整えているでしょう。さもなければ、裁判所も納得しないはずです」

 それでも、

「再び手を出す可能性がないとは言えません。薬物再使用のきっかけは大別して4つあるとされ、『HALT』と呼ばれています。それぞれハングリー、アングリー、ロンリー、タイアード(疲労)を指し、これらに患者を晒すのは禁物なのです」

 先の事情通によれば、実際に清原も、

「とりわけ14年に離婚して以降、子供と会えないのが辛かったようで、孤独感から依存を深めていきました。逮捕のちょうど1年前、以前から慕ってきた知人に電話し、『わし寂しいんです。明日行っていいですか』と涙声で訴えていた。で、翌日はすっぽかす。精神状態がどん底の時には、こうした言動が目立ちました」

 精神科医の片田珠美氏は、こう指摘するのだ。

「彼は逮捕前のブログで、『飲食店で他の客に笑って指を差され、我慢できず灰皿を叩き割った』と綴っていました。これは覚せい剤常用者にしばしば現れる『被害関係妄想』の可能性が高い。現時点で、重度の依存症であると推察されます。仮に短期間の留置でクスリが抜けても、すぐに誘惑に負ける可能性は十分あります」

 覚せい剤は脳に不可逆的なダメージを与えるという。身を焦がす煉獄は、延々と続くのだ。

「ワイド特集 春色の時限爆弾」より

週刊新潮 2016年3月24日号掲載

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