「ムネオ効果」はプラマイ“ゼロ”? 北海道5区補選

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 一たびマイクを握れば、かつての苦難に思いを巡らせ、ほろりと涙を伝わせる。

「演技派」の鈴木宗男氏(68)が「主役」を食うのは、当然の成り行きであった。4月24日に行われる北海道5区の補選に向けて、自民の和田義明候補(44)の支援に乗り出したものの、イマイチ振るわないのだ。

ミスキャスト?

「和田さんは、義父に当たる故・町村信孝前衆院議長の地盤を引き継いで、弔い合戦に臨みます。当初は民主や維新が推薦する池田真紀さんを10ポイント以上もリードしていたのに、3月頭に党が行った世論調査では、5ポイント差まで追い上げられていた」

 と、自民党関係者。

自民の和田義明候補(遺影は故・町村信孝前衆院議長)

「2月中旬に共産が候補を取り下げ、池田陣営についたことも一因ですが、和田陣営は鈴木父子の影響と見ている。娘の貴子さんが民主を離党したことがメディアでクローズアップされ、鈴木父子に“裏切り者”のイメージがついてしまった。おまけに、すっかり彼らが補選の“主役”になり、知名度の低い和田さんが一層、霞んだ。宗男さんの支援によって得る票と失う票はプラスマイナス“ゼロ”というのが陣営の分析で、本人はピリピリしています」

 というのも、自民党にとってこの補選は、絶対に勝たなければならない闘いなのだ。政治部記者が言う。

「谷垣禎一幹事長と茂木敏充選対委員長が、口を揃えて“ダブル選は補選次第”と言っている。ここで勝って野党共闘に水を差せれば、参院選のみならず衆院選でも波に乗れますが、万が一にも負ければ、野党を勢い付かせてしまう。だからこそ、北海道5区で2万〜3万票を持つ宗男さんに協力を仰いだのに、期待外れだったようですね」

「ムネオ劇場」はつづく――。

週刊新潮 2016年3月17日号掲載

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