百田尚樹氏が民主・維新新党の名前を「カエルの楽園党」はどうかと提案
民主党と維新の党が「合流」するにあたり、新党の名前を一般公募したことが話題になった。数多くの応募があったそうだが、ベストセラー作家の百田尚樹氏も、ツイッター上で新しい名前をいくつか提案している。
そのうちの一つが「カエルの楽園党」だ。百田氏は、「自分の名前も決められないって、アホ丸出し」と批判しながらも、「もし、民主維新の新党の人たちが、『お願いいたします。どうしてもその名前が欲しいのです!』と頭を下げてきたら、『カエルの楽園党』の名前を無料であげてもいい(^^)」と冗談交じりにツイート。
『カエルの楽園』は、発売されたばかりの氏の新作長編。ご本人いわく「これほどの手応えは『永遠の0』『海賊とよばれた男』以来。これは私の最高傑作だ」という作品なのだが、そこまで思い入れのある作品のタイトル名を、なぜ新党に提案したのか。
百田尚樹氏
その理由は、この小説に登場する「楽園」の性格にあるようだ。
他のカエルからの侵略の脅威にさらされている「楽園」には、「三戒」と呼ばれる戒めが存在している。その戒めについて、主人公のカエル(ソクラテス)と楽園の住民(ハインツ)との会話を一部引用してみよう。
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「それ(注:三戒)はどういうもの?」
「一つ目は『カエルを信じろ』。二つ目は『カエルと争うな』。三つ目は『争うための力を持つな』。この三つがぼくらの三戒です」
「カエルを信じろって――要するに他の種類のカエルも信じるということか」
「そういうことです」
(略)
「もし襲われたら、どうするの?」とソクラテスはもう一度訊きました。
「襲われたって争いにはなりません」
「どうして?」
「ぼくらが争わなければ、争いにはならないからです」
ソクラテスはハインツが何を言っているのかわかりませんでした。
「たしかに争わなければ争いにならないだろうけど、襲われたら、どうやって身を守るんだい?」
「ですから――」ハインツは呆れたような顔をしました。
「襲われないんですから、そんな話をしてもしかたがないでしょう。この国は三戒が誕生してから、一度だって他のカエルに襲われていないんですから」
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すでにネット上では、さまざまなふざけ半分の「新党名」が提案されている。党の関係者の方々は、こうした提案を歓迎しないだろう。「ふざけるな」と怒っているかもしれない。
しかし元をただせば、確定した政策や綱領も発表しないうちに党名を広く募集するという姿勢自体が、こういう揶揄を受ける事態を招いているのではないだろうか。
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