池松クンは高校時代の「カレシ」に似ている!? 成海璃子×池松壮亮×斎藤工『無伴奏』仙台特別試写、開催

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 3月26日公開の映画『無伴奏』の特別試写が、2月26日(金)、物語の舞台である仙台で行われた。直木賞作家・小池真理子の半自叙伝的同名小説を、矢崎仁司監督(『三月のライオン』『ストロベリーショートケイクス』)、成海璃子×池松壮亮×斎藤工という豪華キャストで完全映画化したのが、この『無伴奏』だ。

映画『無伴奏』より

 矢崎監督、成海とともに舞台挨拶に登壇した原作者の小池は、「私の思春期真っただ中だった日々をモデルにして書いた『無伴奏』が素晴らしい映画になりました。映像も美しいし、原作にとても忠実に描いて下さった」と挨拶。

「響子というのは私の分身で、男性関係の話は実際にあったこととは違うんですけれど、私の若かった頃をこんな素敵な女優さんが演じて下さって、本当に幸せなことでした。試写で、成海さんのしゃべり方とか間合いの取り方とかちょっと勝気なところを観ながら、図々しいんですけれど、当時の私にそっくりだったので本当に感激しました」

 成海の相手役・池松についても、「池松さんは、実はバロック喫茶『無伴奏』で出会って、ちょっと付き合ったことのある、仙台一高の生徒にちょっと似ていてびっくり」

映画『無伴奏』の舞台である仙台で行われた特別試写にて。右から原作者の小池真理子さん、出演者の成海璃子さん、矢崎仁司監督

 矢崎監督は、この小説を映画化したいと思った理由を問われると、「僕は4人の登場人物(響子、渉、祐之介、エマ)や、響子の友達たち(レイコ、ジュリー)とか、この小説に出てくる登場人物を愛してしまいました。それで、初めてお会いした時に、小池さんが『響子は私です』とおっしゃられたのを聞いて、絶対撮りたいなと思いました」

 テレビドラマ『瑠璃の島』に初主演してから10年となる成海だが、本格的なラブストーリーは本作が初めて。池松を相手に、体当たりの演技も見せている。「池松君はすごく頼もしかったです。私は今回(響子という大変な役で)いっぱいいっぱいだったけれど、池松君が現場に来る日はちょっと嬉しかったほど支えになってくれたし、安心して、すごく信頼して撮影できました。一緒に戦った“戦友”という気がします。斎藤さんは、独特の雰囲気のある、面白い役者さんで、祐之介役に合っていると思いました」。ロケの想い出を聞かれた成海は、「仙台に着いた日に池松君たちと牛タンを食べました。響子役を演じるのがなかなかハードで、池松君にそんなことを言ったら、お風呂上りに晩酌しようということになって、ビールを飲んで話を聞いてもらった想い出があります」と答えた。

映画『無伴奏』より

 映画のタイトル『無伴奏』は、1969年から81年まで仙台に実在したバロック喫茶の店名で、小池は高校時代、この店の常連だった。映画化の許諾にあたっては、仙台を舞台にすることと、バロック喫茶「無伴奏」を再現することを、条件に挙げたという。「『無伴奏』のセットを作って頂けることになって、本当に嬉しかったです。横浜の倉庫の中に作られたセットに入った瞬間は、タイムトラベルをして45年という時間が巻き戻されて、私があの時代に戻ったような気がするくらい完璧でした」と喜びを表した。

 最後に、矢崎監督は、「思春期の響子が少女から大人の女性に変わる瞬間、人が変わる瞬間は本当に美しいので、その現場に立ち会えたことが嬉しいです。皆さんも映画館の暗闇でその美しい瞬間をぜひ観て下さい」というメッセージで舞台挨拶を締めくくった。

【STORY】 

『無伴奏』小池真理子(新潮文庫)

 日本中で学生運動の嵐が吹き荒れていた1969年。仙台の高校に通う多感な女子高校生・響子(成海璃子)も、同級生のレイコやジュリーと制服廃止闘争委員会を結成し、闘争に明け暮れていた。レイコに連れられ、初めてクラシック音楽の流れる喫茶店「無伴奏」へ足を運ぶ響子。そこで偶然、渉(池松壮亮)、祐之介(斎藤工)、エマ(遠藤新菜)と出会う。やがて学生運動を離れ、「無伴奏」に通うようになった響子は、逢うたびに渉に強く惹かれていく。そして、時に嫉妬や不安に駆られながらも、熱い想いを渉に傾けていくのだが……。

2016年3月4日掲載

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