レオ様より一足早く「日本人」にアカデミー賞

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 アメリカの映画の祭典、アカデミー賞授賞式は2月28日。主演男優賞はレオ様だ、作品賞は『オデッセイ』だとかまびすしいが、それに先立つ13日、アカデミー科学技術賞の授賞式が行われ、中垣清介(きよゆき)さん(35)が受賞した。

「科学技術賞は、映画に貢献した重要な技術や技術者に贈られます。中垣さんは、3DのCG画像に着色するソフト“MARI”の開発メンバーとして受賞しました」(映画ジャーナリスト)

 中垣さんは三重県四日市市出身。ニュージーランドのカンタベリー大学でコンピューター科学を学んだ後、現地の金融ソフトウエア会社で働いていたが、

「カフェで仕事をしている時にスカウトされ、世界最高水準のVFX(視覚効果)技術を持つWETAデジタルに入社。“MARI”の開発に携わります」(同)

“MARI”は、3D画像にきわめて効率よく着色し、質の高い画像を制作できるのが特長だ。

「世界興行収入1位の『アバター』や『ジュラシック・ワールド』などのハリウッド映画で使用され、高い評価を得ました」(同)

“MARI”が商品化されるのに伴い、発売元の英ファウンドリに移籍した中垣さんは、帰国して実家に近い三重県桑名市に在住。

「主に自宅で、“MARI”のバージョンアップなどの仕事をしています」(中垣さんの知人)

 アカデミー賞と日本人、と言えば、思い浮かぶのは坂本龍一(作曲賞)、ワダ・エミ(衣装デザイン賞)、『おくりびと』(外国語映画賞)だったりするが、

「科学技術部門こそ日本の得意分野です。この15年で1社9名、昨年もソニーの技術者が受賞しています」(先のジャーナリスト)

 日本の底力だ。

週刊新潮 2016年2月25日号掲載

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