記録集に「*」マークか 覚醒剤「清原和博」の怪記録

国内 社会

  • ブックマーク

 オリンピックなどでは、禁止薬物の使用が発覚すれば、遡って記録が抹消され、メダルも剥奪される。

 この人はどうなるのか。

 覚せい剤取締法違反容疑で逮捕された清原和博(48)。引退したのは8年前だが、現役時代からクスリに手を染めていたと囁かれている。

両者の違い

 巷では、1993年に同法違反で逮捕、服役した江夏豊氏と比較されるが、両者には看過できない差異がある。“現役時代からヤクをやっていたか否か”だ。

 幸か不幸か、清原は、“メダル”すなわち本塁打王など主要タイトルを獲得していない。だが、そんな男が「無冠の帝王」と敬われた。その拠り所が、「通算サヨナラ本塁打12本」と「通算サヨナラ安打20本」――いずれも歴代1位の記録だ。彼がプレッシャーに滅法強い、とされる所以である。

 また「196死球」も歴代1位。“デッドボールを恐れぬ勇敢さ”も清原を清原たらしめた要素であろう。

 だが、他に“1位”の記録はというと、「通算三振数」くらいのもの。つまり、清原は、鋼鉄の如きメンタルだけが売りの男だった。

 ところが、そのメンタルが薬物漬けのメッキ加工だったとしたら?

 シーズンを通して、又は数シーズンを費やしてコツコツ積み上げた記録はどうか。

 たとえば、通算525本塁打は歴代5位。しかし、仮に巨人移籍後の97年からヤクをやっていたとして、その後に放たれた196本塁打を抹消すると、その順位は35位までダウンする(ちなみに36位は高橋由伸巨人監督である)。

「清原の記録をどうするか、日本野球機構が水面下で検討を始めました。来年度の公式記録集からは、清原の項目に“*”を付けて参考記録扱いにするかもしれません」(同機構関係者)

 参考ついでに最後にもう一つ。先の“サヨナラ記録”の第2位はどちらも野村克也氏だ。何やらボヤきが聞こえてきそうではないか。

週刊新潮 2016年2月25日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。