SMAP、清原、ベッキー、不倫議員……その報道、本当に自分に関係ありますか?

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 2016年は各界で「大事件」が連続している、というのは多くの人が感じていることだろう。SMAPの解散騒動、ベッキーや育休議員の不倫報道、さらに北朝鮮は暴走し、株式市場は乱高下を続けている。清原事件では、本人以外の「証言者」などの登場人物も話題を呼んでいるようだ。

 こうした大事件が起きた際に、ついついテレビの前に釘づけになって、ニュースや情報番組をザッピングしてしまう、という方も多いのではないだろうか。

 それに対して、「大事件が起きたらテレビから離れよ」とアドバイスをするのは、伊藤洋一氏である。「伊藤洋一のRound Up World Now!」(ラジオNIKKEI)などの番組で最新ニュースの解説をしている伊藤氏は、新著『情報の強者』の中で、自らの情報処理術を披露している。以下、同書から伊藤氏のアドバイスを引用してみよう。

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■繰り返しには要注意

 世間を騒がすような大事件や大事故が起きると、ニュースはその話題でもちきりなる。

 各社はどこも同じようなネタを何度も繰り返し報じる。最前線で記者が張り切って独自の切り口を探しているのだろうが、多くの場合、視聴者にとってはその違いがさっぱりわからないことも多い。

 もちろん、「繰り返し」をあえて行っている面もある。報道には、重要な情報を多くの人へ周知徹底する役割があるからだ。特に災害などの情報は、ニュースを繰り返すことで一人でも多くの人命を助ける可能性がある。そういう意味で価値は高い。

 しかし、たいていの事件や事故について、私たち視聴者は当事者でないのだから、同じ情報を細かい何度も見たり聞いたりする必要は本来ないのだ。それなのに、つい漫然とニュースを見てしまう。

 特にテレビの情報は危険だ。朝、昼、夕方、そして夜まで、ニュース番組は同じような内容を報じ続けている。それぞれの番組制作側にとっては新鮮なのかもしれないが。テレビの前にいる視聴者からすれば、「またこのニュ―スか」「他にニュースはないのか」とうんざりするものだ。報道が過熱すればするほど、重箱の隅をつつくような細かい情報の争奪戦になる。

■情報の陳腐化を防ぐ

「大事件」が発生すると、報道側がその事件ばかりをフィーチャーするため、相対的に他のニュースは小さくなる。だからこそ自主的に別のニュースを追うという意識も必要である。

 私は大きなニュースがあると、一定の情報が入った段階でそのニュースを遮断することにしている。

 世間が騒いでいる中でなかなか難しいかもしれないが、「遮断する」と強く意識し、実行しない限り、同じような情報を繰り返し摂取することになってしまう。

 そして、ある程度時間が経ち、事態がいくらか推移した段階で必要であれば、関連情報を取りに戻る。この繰り返しにより、情報の重複と陳腐化を防ぐのだ。

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「衝撃的な殺人事件、事故が起きると特にテレビはその話題一色になってしまいますし、気を取られてしまいます。しかし、冷静に考えればほとんどの事件、事故の細部や最新情報は受け手の生活とは関係がありません。だからいったん遮断して、あとでまとめて知ったほうがいいのではないでしょうか」(伊藤氏)

「そんなこと最初から心がけている」という人には言わずもがなだろうが、伊藤氏は意識的に「遮断」して時間を作り、世界中のニュースを幅広く摂取することを可能にしているという。

 伊藤氏が必ずチェックしているのは、NHK-BS1の『ワールドニュース』。世界中のニュースをコンパクトにまとめて伝えてくれるので、「情報のバランスを取るのに最適」だという。

「日本人の視点では見えにくくなったニュースや情報が見え、情報を相対化できる。何が正しいのかを判断する前に、多様な見方を自分の中に入れ、複眼的に捉えることができる」(同書より)

 他にも同書では、「情報の重複と陳腐化」を防ぐために「快楽情報に溺れるな」「新聞はニュースの配置を読め」「ベタ記事にこそ注目せよ」等、伊藤氏流の情報処理術を披露している。

デイリー新潮編集部

2016年2月18日掲載

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