なり手のいない「日本郵政」ポスト西室

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 3発目の黒田バズーカの“マイナス金利政策”は、昨年11月に上場した“ゆうちょ銀行”に衝撃を与えた。その余波は小さくなく、親会社である日本郵政のトップ人事にまで波及しているのだという。

「日本郵政の西室泰三社長は、“古巣”東芝の不正会計問題で交代濃厚です」

 こう予想するのは、経済誌の金融担当記者だ。

「西室社長の前は2代続いて旧大蔵官僚でしたが、今回、財務省は見送る方針。“火中の栗”を拾いたくないのでしょう」

 その火中の栗が、ゆうちょ銀行なのだという。

「国内の金融機関は、万が一に備えて日本銀行に法定準備金を積み立てており、それを超える残高には年0・1%の金利が付く。ゆうちょ銀行の準備金は最低2兆円で、当座預金残高は約35兆円。年間利息は、当期純利益の10分の1に当たる約330億円です」

 日銀のマイナス金利適用は2月16日以降の新規分からだが、これが日本郵政のトップ人事に関係するのはなぜか。財務官僚の囁きを聞くと、

「4月から上限1000万円の貯金額が1300万円に引き上げられる。貯金量増加は確実ですが、ゆうちょ銀行は運用力に乏しく、それを6月に日本郵政の株主総会で株主から突っ込まれて、返答に窮するのは明白です」

 では、一体、誰が西室氏の後釜に座るのか。

「民間人登用の可能性は極めて低く、内部昇格が濃厚です。有力視されているのは、旧郵政省出身で総務省事務次官を務めた鈴木康雄副社長。彼は、菅義偉官房長官が第1次安倍内閣で総務大臣を務めた時の審議官だったので、官邸にパイプもありますからね」(同)

 元官僚の副社長も辞退したら、一体誰が社長になるのか。

週刊新潮 2016年2月11日号掲載

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